食物アレルギーの問診
メモでの構いませんし、ノートなどに食べたものと症状を書いて残しておきましょう
食物アレルギーの血液検査
血液検査では、様々な情報を知ることができます。以下のような項目をチェックして、食物アレルギーかどうかを診断します。■白血球
血液中の白血球の1種、好酸球や好塩基球が増えているかどうかを見ます。食物アレルギーの場合は増えていることが多いです。
■アレルギー検査
IgEというアレルギーを起こすタンパク質が血液中で増えていないかどうか、食物に反応するIgEが増えていないかどうかを見ます。IgE全体の値が高いとアレルギーを起こしやすいことになります。
■食物に反応するIgE
例えば、卵白に対するIgEが、0.7 IU/ml以上であれば、陽性となります。この数字は0.34~100 IU/mlまであって、数字が高いほど、症状がでやすいことがあります。数字によってスコアで分類しています。0~6まであって、0は陰性、1は疑陽性、2~は陽性となっています。
■HRT(ヒスタミン遊離試験)
試験の中で、食材と白血球を混ぜて、ヒスタミンをという物質が出るかどうかをみる検査で、現在、卵、牛乳、大豆、米、小麦で検査できます。ヒスタミンの値が高くなっている食材は、アレルギーを起こす可能性が高いという事になります。
食物アレルギーの皮膚検査
血液検査以外の検査法として、以下のような皮膚検査があります。■スクラッチ、プリックテスト
原因となる食物の成分を皮膚につけて、針などで皮膚に傷をつけて、反応をみる検査です。蚊にかまれたような湿疹や赤くなったら陽性です。
■皮内テスト
原因となる食物を皮膚に注射で入れて、反応をみる検査です。蚊にかまれたような湿疹や赤くなったら陽性です。
■パッチテスト
原因となる食物を皮膚に貼り付けて、そのまま2日、または3日、様子を見ます。張り終わったときに、赤くなっていないどうか、腫れていないかどうかをみる検査です。
これらの検査は、体質としてアレルギーを起こす「可能性があるかどうか」を見る検査です。アレルギー検査で陽性であっても、必ずしも、食物アレルギーとして症状を起こすわけではありません。
そこで、重要になる検査が、除去試験と負荷試験です。
除去試験と負荷試験
■除去試験原因と思われる食材を完全に2週間食べない状態にし、症状が治るかどうかを見る検査。原因となる食材については、上記の問診と検査である程度絞り込みます。この検査は改善するかどうかをみる検査なので、安心して受けられるのがメリット。一方で原因と思われる食材を完全に除去する必要があるので、食べるものが限られるのが難点。母乳を飲んでいる子供のアレルギー検査の場合は、母親も原因と思われる食材を摂らないようにします。
以上の検査を行うと、ある程度、原因となる食材が分かってきます。最終的に確実に検査する方法は、食物負荷試験です。
■負荷試験
原因と考えられる食材をあえて実際に食べ、症状が出るかを見る検査。アレルギー反応が出る可能性があるので、本人には負担のかかる検査です。食べる量を10分から15分ごとに増やし、30分から1時間にアレルギー症状が出てこないかどうかを注意しながら確認します。ショック状態になったり、喘鳴、蕁麻疹、意識がなくなったりするアナフィラキシーを起こすと大変なので、この検査は慎重に行う必要があります。食材に対するIgEが陽性でも負荷試験では大丈夫だったという場合もありますが、食材に対するIgEが高いと、負荷試験で陽性になることが多いので、本人への負担の大きい負荷試験は、医療機関でよく相談の上で行いましょう。 (参考 「アレルギー検査の方法」
食物アレルギーの治療法
食物アレルギーの治療は、食物でアレルギーの症状が出ない時までその原因食材を除くことにあります。血液検査などを参考にアレルギー症状が出ないかどうかは負荷試験で確かめることになります。■食物アレルギーの症状が出た場合は、
- 抗ヒスタミン薬(蕁麻疹の原因になるヒスタミンを抑える薬)
- 抗アレルギー薬(様々なアレルギーを起こす物質を抑える薬)
- ステロイド薬
- エピネフリン(血圧を上げる薬)