坂道、遊歩道、でこぼこ道路は
軟弱地盤の可能性大

冷奴
水分の量が違うと豆腐の硬さが異なり、食感や料理法も異なる
モノの硬さは水分の量で決まります。例えば豆腐。ふるふると柔らかい絹ごし豆腐は100グラムのうち、90グラムほどが水分ですが、水分を絞って作る木綿豆腐では87グラムほど。硬いことで知られる富山県の五箇山豆腐や沖縄の島豆腐はそれよりもさらに水分が少なくなっています。

さて、絹ごし豆腐、木綿豆腐を皿に盛り、皿を揺らしてみると水分量の多い絹ごし豆腐のほうがよく揺れます。水分量が多いほど揺れやすいのです。そして、これは地盤でも同じこと。土の中に含まれる水分が多いほど揺れやすく、地震に弱い地盤ということになるのです。また、同様に豆腐の上にモノを置いてみると、絹ごし豆腐に置いたモノのほうが沈みます。どちらか一方向だけ傾くこともありますが、これは軟弱地盤の上に家を建てた時に起きる不同沈下と同じ現象といえます。

水辺
水辺は気持ちいい場所ではあるものの、安全に長く住むという観点ではあまり歓迎されないこともある
つまり、軟弱で危ない地盤とは水分量の多い地盤という意味なのです。では、水分量はどこで見るか。それは土地の高低。「水は低きに流れる」ので、周囲より低い場所には水がたまるのです。

雑司が谷周辺
都電に乗ると東池袋から雑司が谷を経て神田川沿いまでが下り坂。谷というだけある。かつては池袋駅周辺から神田川に流れ込む川があり、よく氾濫したものだとか。現在は暗渠となっている
地名で言えば、江や浜、磯など水辺に関連する字が使われている場所は危険ですし、流、落などさんずいのつく字、谷、沢や窪(久保)など低地をあらわす字、稲、鴨、亀など水辺の動植物を意味する字、橋や堤など水辺に作られる建築物を意味する字も疑ってみてください。これについては地名が変更されてしまっていることもあるので、地名事典などで由来をチェックしてみることをお勧めします。

成城学園近くの坂
写真の上り坂をさらに上ったところに成城学園駅がある。高い場所は地価も高いわけだ
土地の高低を見るためには歩いてみるのが一番。現地が下り坂の先、周辺の土地よりも低くて底になっているような場合はかなり危ないと思ってください。傾斜が緩やかな場合や起伏が複雑で上り下りが続くような場合は気づきにくいので注意が必要。遠くにビルなどが見えるようであれば、その見え方がどう変わるかを意識してみると上がった、下がったが感じられます。また、自転車で走ってみると歩くより高低を感じやすくなるので、こちらもお勧め。もうひとつ、付近で高い建物に登って周囲の高低を見てみるのも手です。

桃園川緑道
かつて杉並区から中野区を流れ、神田川に合流していた桃園川。現在は遊歩道になっている
水が集まっている場所という意味では池、沼、川、水田の近くなども注意が必要です。こうした場所は地震だけでなく、水害の危険性もあります。中でも見落としがちなのが遊歩道や緑道。入り口に車止めがあって歩行者のみが通れるという遊歩道、緑道は元水路で、現在は暗渠化されているという可能性が高いのです。

古い不動産会社
古い不動産会社であれば土地の来歴などには詳しいはず
遊歩道のように都市化による開発で元々の地形が変わっていることもよくあるので、心配な場合には、その場所が以前何に使われていたかを聞いてみること。地元で長く商売をしている酒屋さん、米屋さん、魚屋さんあるいは不動産会社さんなどは良くご存知のはずです。

ゆがんだ電柱
よく見ていただくと写真奥の電柱が傾いているのがお分かりいただけるだろう。1本だけなら心配ないが、周辺の電柱がどれも傾いている場合には注意しよう
もうひとつ、現地でよく見ておきたいのは周辺の道路。軟弱地盤の上に土を盛って作られた道路は部分的に沈むことがあり、車で走ってみると路面が波打ってでこぼこだったりするのです。同様にマンホールの蓋だけが道路からぼこっと出ている、路面がひび割れている、電柱が垂直に立っておらず、あちこちを向いているなども危険信号です。

雑木林、畑、寺社仏閣は
安全地盤の指標

畑が混在する住宅地
水田は?、畑は◎と覚えておけば間違いは少なくて済むはず
逆に安全な地盤は水の溜まりにくい高台ということになりますが、その指標となるのが植物です。多くの野菜や樹木は水はけの悪い土地では根腐れを起こしてしまい、うまく育ちません。そこで、雑木林や畑があるような場所は水はけの良い場所といえるわけです。ちなみに根元が水に浸かって生育する葦その他の湿地性植物、樹木ではハンノキ、ヌマスギなどが見られる場合には×。危険です。

桜の祐天寺
ちなみに私が住んでいる祐天寺では一番高いところにあるのが古刹祐天寺
もうひとつ、目安となるのは寺社仏閣。日本では昔から地震、水害その他の危険が少ない高い場所に殿様を始めとする偉い人が住み、寺社仏閣などが作られてきたからです。そのうち、殿様の屋敷や城などはあまり残されていませんが、寺社仏閣の多くは今も健在。目安としては非常に分かりやすいわけです。

ただし、江戸時代の火災や関東大震災その他で郊外に疎開した寺社仏閣では適当な土地がなかったためか、低地に建てられていることもあるようで、注意が必要です。

は買いたい場所のより周辺を見てみましょう。