男子度100%、しかも平均年齢が若い街って何よ?
トラックターミナルにはコンビニや診療所などがあり、まるで街のよう |
が、普通にはこの程度の男上位のはずが、なぜか男子度100%の街がある。国勢調査にはある町内に住む男女別の人数や年齢などが町丁目ごとに全て掲載されて、その2005年版を見ると足立区入谷6丁目は住民登録をしている73人が73人とも男性なのである。女性はいない。
同様に大田区平和島2丁目は224人中224人が男だし、板橋区高島平6丁目は91人が男で女はゼロ。江戸川区臨海町4丁目は女性が1人いるものの、残り67人はすべて男。しかも、東京都の平均年齢は43.19歳だが、足立区入谷6丁目は38.4歳、大田区平和島2丁目は39歳と妙に若い。いったい、これはどんな街なのか?
まずは首都圏全図で4エリアの場所を見てみる。いずれも首都高の近くで環七、環八その他の幹線道路に近い。ということは車関係で利用されている可能性が高い。しかも大田区平和島を除いてはいずれも中央卸売市場の隣である。ということは、モノが運ばれてくる場所?
詳細な地図を見てみると、なんだ、答えは思った通り。トラックターミナルだった。
フツーじゃない街もあるのが都会
東京には板橋、足立、京浜、葛西の4ケ所に日本自動車ターミナルが運営する公共のトラックターミナルがあり、全国から運ばれてくる貨物が集積される。集まった荷物はここで仕分けされ都内各所に送られると同時に、全国に向けての荷物もここに運ばれ日本全国に送られる。都市間物流の要ともいうべき場所なのである。実際に足立のトラックターミナルに行ってみると、20m以上はあろうかという仕分け用の殺風景な建物が並び、大型トラックが頻繁に出入りをしている。隣にある舎人公園の緑の風景から比べると、実用オンリー、暮らしという暖かい言葉には無縁の空間である。本当にこんなところに人が住んでいるのだろうか。
運営する日本自動車ターミナルに聞いてみると構内には食堂、コンビニや診療所、浴室など一通りの設備はあり、トラックのドライバーさんなどが暮らしているのだとか。普通の街とはかなり違う暮らしだろうが、忙しい毎日を考えれば致し方ないというところだろうか。
ちなみに東京にはこのほか、霞ヶ関1丁目や内幸町2丁目のように住民が1人もいない街もあれば、住民が5人以下、あるいは女性がたった1人で暮らしているという街もある。通常私たちが思っている街とは違う、フツーじゃない街も都会ならアリというわけだ。