どこの街でもいいワケじゃない!
コロッケがおいしい街の法則
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古い商店街には必ずといっていいほど、お惣菜を売っている肉屋さんがある |
取材も含め、あちこちを食べ歩いて分かったことは、コロッケがおいしい街には法則があるということです。具体的にどんな街かといえば、昭和から続く、古い商店街が生き残っている街。理由は簡単で、フランチャイズのコロッケ屋さんを除けば、たいていのコロッケは街のお肉屋さんで売られています。お肉屋さんがなければコロッケはないし、商店街が疲弊して、お客さんが来なくなってしまったところには肉屋さんも生き残れません。その意味で、コロッケのおいしい街は地元の商店街が頑張っている街ともいえるわけです。
では、どんな街に生き残っているか。個人的な思い入れやえこひいきたっぷりにランキングに行ってみましょう!
1位、荏原中延
商店街銀座はつまみ食い天国でもあった
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中延スキップロード。歩いて5分も行くと他の商店街にぶつかる商店街銀座の一画にある |
個人的に一番好きな商店街がここ、荏原中延(東急池上線)にある中延スキップロード。個々のお店が頑張っている感じ、自分の売っている品物に誇りを持っている感じが見て取れて、応援したくなるというのがその理由。70年以上の歴史がある「石黒の飴」(菓子工房石黒)や、手作りにこだわるさがみやの豆菓子など、わざわざ買いに行く価値のある品が目白押しです。
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コロッケやお惣菜のほか、銘柄牛などの取り扱いもある |
さて、コロッケなら、中延スキップロードの一番端にある肉の伊吾田です。ミートコロッケ、豆腐コロッケ、野菜コロッケ、カニクリームコロッケに贅沢なずわいがにコロッケ、ジャンボコロッケと種類も豊富、84円から高くても136円とお値段も手ごろと文句なし。手作り感のあるコロッケはすごく特別という品ではなく、日常の暖かさが感じられて、幸せな味です。ちなみに、お向かいにあるパン屋さん「リヨン夢工房」ではあんこやバター、クリームなどを好みで挟んでくれるコッペパンが売られており、こちらも昭和の味。たまに食べたくなります。
2位、谷中
食べ歩きするなら、谷中でしょ!
コロッケに限らず、庶民的なお値段でおいしいものをつまみ食いするなら、種類の豊富な谷中がお勧め。JR日暮里駅あるいは東京メトロ千代田線千駄木駅から歩いて数分ほどの場所にある谷中銀座、よみせ通りに行ってみましょう。
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こじんまりした店構えのヤマネ肉店。近くには手作りハムの店、コシヅカハムもある |
コロッケで一番有名なのがよみせ通りにある、昭和5年(1930年)創業のヤマネ肉店。タレントさんの色紙が大量に飾られた小さな店ではジャガイモの味がしっかり味わえるコロッケが70円。肉屋さんなのに、コロッケやコロッケパンのほうが有名になってしまったせいで、店頭には肉が置いていないという変な(?)店でもあります。
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通りかかった日、コロッケはなんと10円だった。惣菜のいちふじ店頭 |
しかし、谷中のコロッケはここだけではありません。谷中銀座の中にある焼き豚で有名な肉のすずきにも、谷中コロッケを売る肉のサトーにも、さらには惣菜のいちふじにもコロッケは置かれていますから、全品目制覇!の食べ歩きも楽しいかもしれません。ちなみに、個人的には肉のサトーのメンチカツが好みです。
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昔ながらの丸いガラス瓶に詰めて売られている各種せんべいは、店の裏で作られている |
また、谷中周辺はコロッケ以外にも買い食いが楽しい店があれこれ。日暮里駅から谷中に向かうなら、途中の谷中せんべいで堅焼きせんべいをバリバリがお勧めですし、甘いもの好きならよみせ通りのがようしのやなかシューの素朴な甘さに癒されてください。よみせ通りの谷中福丸饅頭も一口サイズで食べやすく、しかも10円。胃袋にも懐にも暖かい谷中です。
次は知らない人も多いだろうあの街です。