幡ヶ谷・笹塚、新宿が見える便利な下町(2ページ目)

京王線・甲州街道の南北で
異なる街の表情

このエリアには忙しく働くビジネスマンが多いのか、商店街でもマッサージ、整体などの治療院が目に付く

次に、街の様子を見ていきましょう。まずは京王新線の幡ヶ谷。ここでは京王線、甲州街道を挟んで南北に商店街があります。北側は6号通り商店街で、南側は西原商店街。いずれも細い道の両側に主に個人商店が並んでおり、車での通り抜けはやや面倒。6号通り商店街は水道道路を越えると6号坂商店街となり、途切れ途切れにさらに続きます。八百屋さん、お茶屋さん、和菓子屋さんなど、古そうな店が並び、脇に入るとスナックや小料理屋さん、さらに行くと小規模なアパートなどが目につきます。

ところどころにベンチも置かれた緑道はうってつけの散策コース。初台からこの辺りまではよく整備されている

反対側の西原商店街は途中で玉川上水緑道を越え、代々木上原方向に延びています。この玉川上水緑道は公園の少ないこのエリアでは希少な散歩コース。場所によってはそれほど本数は多くないものの、桜も楽しめます。また、こちら側には区のスポーツセンター、区の出張所、テニスコートのある代々木西原公園、西原図書館（平成22年度までは改修で休館中）などもあります。この商店街にはしゃれた雰囲気のビストロや花屋などもあります。

笹塚の南側はすぐに世田谷区北沢。緑道があり、一戸建て中心の住宅街になる

幡ヶ谷、笹塚ともに、京王線、甲州街道の北側、南側では街の雰囲気がやや異なります。北側はごく庶民的で、細い路地に商店街、小さなアパートという風景が一般的なのですが、南側は商店街エリアでは似たような風景ではあるものの、住宅街の区画はやや広め。高い建物も少なくなります。これは用途地域によるもの。例えば、北側の幡ヶ谷は住宅専用の地域もありますが、商業地域、準工業地域などもあり、様々な建物が混在しています。しかし、同じ渋谷区でも西原は商業地域、近隣商業地域が多少あるものの、住宅用とされる地域が大半。代々木上原につながる、住宅街ですから、場所によってはお屋敷も点在しています。利便性では北側、住環境では南側という言い方もできるかもしれません。

笹塚駅近くの甲州街道。通り沿いにマンション、オフィスビルなどが建ち並ぶ

甲州街道沿いにはスーパーやコンビニ、飲食店が並ぶ幡ヶ谷商店街があり、この商店街は笹塚大通り商店街に続いています。

京王線5位の乗降客数を誇る笹塚は
右にも左にも商店街

商店街の中ほどに観音様があり、それが名まえの由来。由緒を感じさせる商店街だ

続いて笹塚です。ここは駅の高架下にファーストフード店やブティックなどが入った京王クラウン街があり、駅の隣、甲州街道側には京王笹塚商店街が、反対側には京王ささづかショッピングセンター、駅の斜め前には笹塚ショッピングモール21があり、右手には観音通り商店街と、どこを見ても、商店街ばかりという場所。

レトロな店から、今風の店までバリエーション豊富な店が並ぶ10号通り商店街。道幅は6号通りと変わらず、細い

また、駅から甲州街道を渡ると、下町っぽい雰囲気の10号通り商店街、10号坂商店街があります。この商店街にはプロも買いに来るという魚屋さんや、全国から注文が寄せられるおでん種屋さんなど、知る人ぞ知る店も多く、いつも人で賑わっています。

最近流行している魚介系スープの中でもひときわ異色と人気の幡ヶ谷不如帰の一品

そして、歴史ある店や銭湯など、古い店だけでなく、オーガニックな素材が売りのケーキ屋さんやアートな外観のレストランといった、新しい店もあるのが、このエリアの魅力。いくらおいしくてもいつもおでん、焼き鳥じゃないよというグルメにも満足できる街なのです。特に有名なのは甲州街道沿いも含めた、数多くのラーメン店。路地裏に行列を見たら、きっとラーメン屋さんです。

駅改札前にある京王クラウン街は若い層を狙った店と、シニア世代に受けそう飲食店が混在、独自の雰囲気をかもし出している

この便利さゆえか、笹塚は新宿を除く、京王線全線の中でも第5位、8万1,538人の乗降客があり（2007年度）、住む人も、働く人も多い街となっています。特に単身者、働くカップルには人気で、京王線では初台から幡ヶ谷、笹塚そして下高井戸辺りまでの賃貸の供給はワンルームから2DKまでが主流です。

最後に気になる幡ヶ谷、笹塚の住宅価格をチェック！