納得されにくい転職理由と志望動機
■これまでの経験が活かせるという志望動機これまでの経験(新薬上市経験、領域経験など)を活かしやすいので志望するという志望動機がよく見られます。これだけでは転職理由もわからず、応募先企業のどこに魅力を感じているかも伝わりません。副次的な志望動機の1つとして書くのであれば問題ありませんが、主たる志望動機としては納得性に欠けます。
■会社の業績が悪いという転職理由
企業に業績の波はつきもの。特に製薬業界では、競合企業との新薬上市のタイミングによって業績に波が起きやすいといえます。業績が悪いときこそMRには頑張ってほしいというのが、製薬会社共通の考えです。業績不振は転職理由としては納得されにくいといえます。
■会社の方針や組織運営などに納得できないという転職理由
短期間で何度も上司が変わる、組織の編成替えが度々ある、患者さんよりも業績を重視した営業方針に変わったなど、会社の方針や実態に納得できずに転職を考えるという方も少なくありません。しかし、他社の実情がわからない人事担当者にそうした転職理由への納得や共感を得ることは期待できません。会社に対する不満というネガティブな転職理由だと判断されてしまいます。
他にも、主体性が感じられない志望動機(知人や紹介会社から薦められた)や、処遇面を主な理由とした転職理由や志望動機(評価、給与、福利厚生、勤務地など)は納得が得られにくいといえます。
納得を得られる転職理由、志望動機
■実力主義や成果主義を理由とした志望動機厳しさと達成感を併せ持った「実力主義・成果主義」の環境を求めるという志望動機は、単に給与の高い会社に転職したいという場合と異なり、前向きの転職理由・志望動機として納得されやすいといえます。
他には、女性の働きやすさを志望動機とする場合も、特に外資系メーカーの場合は納得が得られやすいといえます。その場合、将来的な管理職志望や結婚・出産後もMRとして長く働きたいという前向きな姿勢も同時に伝えることがポイントです。
■会社の将来性に不安を感じたためという転職理由
一見ネガティブな理由のように感じられますが、製品ポートフォリオや開発パイプラインなど、具体的な根拠に基づく将来性への不安は会社の方針などへの主観的な不満とは異なり、転職理由として納得を得られる場合が多く見られます。
■経営の方向性が変わったことを理由とした転職理由
会社方針への不満に似ていますが、後発品と新薬では仕事内容が大きく異なります。会社の方針転換で仕事内容が大きく変わる場合は、自分のやりがいや将来的なキャリアの目標などと関連付けて転職理由として説明できれば、十分納得を得られます。