男性が長生きする街は
首都圏にあり

円朝の墓
幕末から明治に活躍した落語家、三遊亭円朝は61歳で没したが、男性の平均年齢が60歳を超したのは昭和30年前後、同様に70歳を超したのは昭和50年ごろからだ
今、日本男性の平均寿命は79.19歳、女性は85.99歳(平成19年)です。ご存知のように年々伸び続けており、いまや日本は世界一長寿の国になっています。さらに、それを市区町村単位で見ると面白いことに長生きする街、そうでない街があります。


そのうち、男性が長生きする街上位30自治体の中から首都圏の街をピックアップしたのが下の表です。驚いたことに上位30自治体の中で首都圏の自治体は18。半数以上を占めています。それ以外では長野県が4自治体と多く、ついで愛知県が2自治体、それ以外は熊本県、宮城県、滋賀県、岐阜県、大阪府、静岡県が各1自治体です。

沖縄の風景
女性の長寿日本一は沖縄県中頭郡北中城村でなんと89.3歳。女性の平均寿命よりも3歳以上長生きだ
ちなみに女性の場合には、沖縄が3分の1を占めており、首都圏では横浜市青葉区や川崎市麻生区、同緑区、神奈川県上足柄郡開成町の4自治体が入っているだけ。女性の場合、長寿の要因は街よりも、伝統的な食生活や生活が反映しているのかもしれません。

男性が長生きする街はどこ?

順位 自治体名 平均寿命(歳)
1 横浜市青葉区 81.7
1 川崎市麻生区 81.7
2 東京都三鷹市 81.4
2 東京都国分寺市 81.4
3 東京都練馬区 81.2
5 東京都小金井市 81.0
6 東京都目黒区 80.9
8 東京都杉並区 80.7
8 横浜市都筑区 80.7
9 東京都世田谷区 80.6
10 横浜市緑区 80.5
10 横浜市金沢区 80.5
10 東京都武蔵野市 80.5
10 横浜市栄区 80.5
10 東京都東久留米市 80.5
10 横浜市港北区 80.5
10 東京都渋谷区 80.5
10 東京都日野市 80.5


都心から少し離れた
緑の多い街が長生きの街

超都心
環境の問題か、はたまたストレスが多いせいか、超都心はあまり長寿ではない
さて、これら18自治体を地図上で見て分かるのは、超都心は入っていないということ。東京で言えば、都心3区、横浜で言えば中区でしょうか、そうした自治体は入っていません。それよりも、都心からは多少距離のある街が中心です。といっても、都心から1時間というような場所はなく、都心ターミナルから20分、30分圏までというところでしょうか。24時間動いている街ではなく、かといってどっぷり郊外でもない、利便性の高い街が長寿なのです。

国分寺お鷹の道
緑の多い街は気持ちがいいだけでなく、健康にも、長寿にも良いといえそう
また、比較的緑の多い街が中心です。横浜市青葉区は青葉台、川崎市麻生区は新百合ヶ丘で知られる多摩丘陵にある街ですし、三鷹市、国分寺市は武蔵野の面影を残す街であり、練馬区は23区でもっとも農地面積が多い街です。ちなみに農地面積2位は世田谷区ですが、ここも長寿の街です。

救急病院
首都圏やその他の都心でも救急体制には問題が指摘されているが、そもそも病院のない地域も増えているのだ
では、緑が豊富で自然に恵まれていれば長生きをするかというとそうでもありません。下位30自治体を見てみると、青森県16自治体を筆頭に、北海道6自治体、福岡県、大阪府各2自治体などとなっているのです。こうした自治体の平均寿命が短くなるのは、環境の良さよりも、医療体制を主とした社会基盤の整備の差などのマイナス要因のほうが大きいからではないかと思われます。

女性の下位30位で見ても、首都圏で入っているのは、東京都西多摩郡奥多摩町、同日の出町や埼玉県北埼玉郡北利根町、千葉県銚子市などと、離れた場所にある街ばかり。医療過疎がひとつの要因であろうと推察されます。

続いて利便性、環境以外も含め、長生きできる街の条件を見ていきましょう。