東京スカイツリーをきっかけに
墨田区にもうひとつの核を
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押上、業平橋振興のために作られたキャラクター、おしなり君。頭に載っているのは東京スカイツリー。観光客などに対応するために作られたという観光案内所兼休憩所で発見! |
しかも、墨田区は東京スカイツリー建設をきっかけに、そんな押上・業平橋エリアを変えよう、そして、このエリアを変えることで墨田区全体を変えようと考えています。
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駅ビル、商店街、飲食店街などがひしめく錦糸町駅前。こことお隣、両国に並ぶ核として押上エリアは位置づけられている |
墨田区内で区外にも知られた繁華街といえば、区の南部、総武線沿線の両国、錦糸町ですが、墨田区にはそれに次ぐ核がありません。そこで、区の中心部に位置する押上・業平橋エリアを第三の核にし、他の2つの核と連携させることで墨田区を観光都市として打ち出したい、それが墨田区の考えです。そのため、東京スカイツリー敷地周辺はもちろん、脇を流れる北十間川の整備などを計画していますし、東京スカイツリー開業に合わせて錦糸町近くにすみだ北斎美術館をオープンさせる予定も。新名所に合わせ、区全体を変えていこうというのです。
東京スカイツリー建設予定地とその周辺
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南側の両国、錦糸町と押上・業平橋、そして交通網との位置関係を表わしたもの。墨田区役所は本所吾妻橋の近くにあり、押上・業平橋エリアと隣接している |
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ここ数年、整備が進んではいるものの、墨田区の押上より北側には防災上、何らかの対策が必要とされるエリアも残されている |
もちろん、観光だけでなく、防災、防犯や街のバリアフリー化、商店街活性化など、タワー関連の事業は他にも各種計画されています。特に防災面では、押上の北側に位置する京島や鐘ヶ淵などの古い木造住宅密集エリアの整備計画があり、安全な街作りが期待されるところ。押上、業平橋2駅周辺ではなく、押上以北の全てのエリアに恩恵が及ぶかもしれないのです。
賃貸を中心に少しずつ変化は始まっているが
大きな波はまだこれから
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現在建てられているマンションでは足回りの良さ、将来性をアピールした単身者向きが多い |
実際、街は少しずつ変わり始めています。押上駅、業平橋駅周辺の住宅街の中で目立つのは小規模な一戸建ての建築現場ですし、賃貸マンションはあきらかに増えました。今後、値上がり必至と言うセールストークで建売住宅が売られ、不動産投資用の賃貸マンションが建てられているのです。ただし、古くから開発されてきた押上・業平橋エリアではまとまった土地が少ないためか、建てられているのは小規模な物件が中心。そのため、分譲物件は単身者用をたまに見かける程度です。
その代わりといってはなんですが、押上の隣、曳舟では駅前で大掛かりな駅前再開発が行われており、すでにUR都市機構施工でタワーマンションが完成するなど、街の風景が変わりつつあります。曳舟周辺では、今後もいくつか開発計画があり、大規模な住宅開発も含まれていますから、スカイツリーの眺望が楽しめるエリアに住みたい人なら注目しておきたいところです。
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2008年8月の建設予定地。1年ですでにタワーは姿を現している。これから3年弱、街はもっと変わるに違いない |
さて、気になるのは価格ですが、中古物件については投資用で買われているという情報もあるものの、データ上では今のところ、特に目だって上昇してはおらず、中古価格で3.3m
2で150万円前後といったところ。浅草が170万円程度ですから、価格的にはまだ買いやすいレベルといえそうですが、さて、これからどうなるか。タワー効果、墨田区の施策が気になります。