住みたい街 首都圏/通勤・買い物に便利な街

老後を考えて選ぶならウォーカブルタウンを(3ページ目)

家は長く住む場所ですから、年をとっても住みやすく、安全であってほしい。同じように街も高齢者に優しい、暮らしやすい場所であって欲しいものですが、そのためには『ウォーカブル』であることが大事です。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

徒歩10分圏がポイント、
歩いて安全、楽しい街であることも大事

公共施設
若い頃は地域の公共施設の利用などあまり念頭に無かった人でも、収入が減る中で娯楽や新しい趣味を考えるとなると公共施設に目が向くという例が多い
では、老後を考えたら、どんな街を選べばよいのでしょう。問題は住まいから徒歩5分圏、10分圏です。それ以上になると歩くのが辛くなりますから、遠くても10分圏に様々な施設が揃っていることをポイントに考えましょう。必要な施設として商店街やスーパーといった商業施設は若い頃同様に大事ですが、それに加えて病院、気軽に利用できる娯楽施設や図書館、公園、介護関連の施設なども欲しいところ。安価に利用でき、地元での友人を増やすことができる体育館や公民館、図書館といった公共施設はご近所にあるとうれしい施設です。

急な坂
老後を考えると、あまり急な坂ばかりの街も大変。できれば平坦で歩きやすい街のほうがベター
また、安全に歩けることもポイント。バリアフリーであればベストですが、計画的に作られたニュータウンのような街以外ではそこまでは望めません。であれば、少なくとも、歩道や街灯が整備されている、交通面、防犯面で安全な街を選ぶべきでしょう。

歩いて楽しいということも大事です。いくら歩くことが心、体の両面に良いといっても、コンクリートの建物ばかりが続くオフィス街や工場エリアでは歩くのが苦痛になり、歩かなくなります。緑や鳥の囀り、四季の移ろいが感じられる街であることも必要というわけです。

会話のある街
商店街などにちょっと一休みできる場所を設け、世代を超えたコミュニケーションが図れるような工夫がある街も
若いときには全く気にならないものの、高齢になると求めるようになるのが会話のある、会話のできる街であること。働いている間、子どもが学校に通っている間は社内で、あるいはお母さん同士でと社会とのつながり、人間関係がありますが、それが無くなった時、家族以外に会話する相手がいるかどうか。人間は会話をしなくなると、一気に脳の働きが衰えるといいます。散歩中にご近所さんと交わす挨拶、商店街で交わす一言、そんなものが老後の生活の質を高めてくれるのです。最近ではネットを利用した地域コミュニケーションなどもあります。

若いうちから老後を考えるのは難しいことかもしれませんが、自分の親、あるいは祖父母の世代を見れば、学べるものは多くあるはず。今後、高齢化に伴い、暮らし、街作りは変わっていくはずですが、自分自身でも将来を予測してみると、新しい視点で街を見ることができるのではないかと思います。
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