宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

雪組トップ・水 夏希、愛原実花―退団(2ページ目)

2010年9月12日――雪組トップスター・水 夏希さん、娘役トップスター・愛原実花さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。宝塚を心底愛し、世に広める力を持ったトップコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

雪組時代(2005年~2006年)

2005年 『霧のミラノ』ジャンバティスタ・サルバトーレ
  『銀の狼』レイ
2006年 『ベルサイユのばら』オスカル/アンドレ/アラン
  『堕天使の涙』ジャン=ポール・ドレ

雪組トップ時代 (2006年~2010年)

2007年 『星影の人』沖田総司
  『エリザベート-愛と死の輪舞-』トート
2008年 『君を愛してる-Je t’aime-』ジョルジュ・ド・シャレット
  『マリポーサの花』ネロ
  『カラマーゾフの兄弟』ドミートリー・カラマーゾフ
2009年 『ZORRO 仮面のメサイヤ』ディエゴ・デ・ラ・ベガ
  『ロシアン・ブルー』アルバート・ウィスラー
  『情熱のバルセロナ』フランシスコ・ラフォーレ侯爵
2010年 『ソルフェリーノの夜明け』アンリー・デュナン
  『ロジェ』ロジェ・ジェルダン


シャープでクール。しなやかでセクシー。そしてダンスが上手い。
下級生の頃より「元花組トップスター・大浦みずきの再来」といわれた水 夏希さん。

1995年『ME AND MY GIRL』新人公演(第一部)では、わずか研3ながら初主役を果たします。
翌年『CAN-CAN』フォレスティエ、花組に組替え後の『夜明けの序曲』川上音二郎、『タンゴ・アルゼンチーノ』フリオと、4度の新公主役を務めます。

1999年『ロミオとジュリエット'99』のロミオでバウホール公演初主演。
『源氏物語あさきゆめみし』では女役の明石の上に挑戦し、2000年のドイツ・ベルリン公演のメンバーにも入りました。

2000年、宙組に組替え。組内ではすでに2番手のポジションでしたが、2000年に始まった新専科(通称)や、90周年にあたる2004年に作られた特命チーム(通称)生徒の特別出演により、3番手、4番手の役も多々ありました。
また自身も特命チームだったため、どこか落ち着かない数年間であり、迷いもあったことでしょう。そして度重なる組替え。
(後の特別出演も合わせ、5組全組を経験しています。)

しかしこの時期の経験により、役者としての幅が広がりました。
初めての2番手の役、まさに水を得た魚のように生き生きとしていた『鳳凰伝』のバラク。
ダークな魅力をみせた『白昼の稲妻』のランブルーズ。
包容力と男の優しさが溢れていた『ホテル ステラマリス』アレン・ケンドール……。

『エリザベート』
(C)宝塚クリエイティブアーツ

2005年、雪組に組替えし、『ベルサイユのばら』のオスカルとアンドレ、そしてアラン(後にジェローデルも)と、コスチューム物も似合う所を見せます。

そして2007年。31年ぶりに再演となった名作『星影の人』の沖田総司で、颯爽と爽やかにトップお披露目を果たします。
本公演でのお披露目は『エリザベート』のトート。死の帝王にもこんなに心があるのか…。冷たさの中にも激しい嫉妬や愛憎が波を打つ感情豊かなトートでした。

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