プジョー/プジョー

作り手の思いが具現化された渾身のRCZ(2ページ目)

大絶賛のショーモデルのスタイリングそのままに登場したプジョーRCZ。デザインばかりが注目されがちですが、そのライドフィールも超一流です。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

おススメは200psエンジンに6MTの組み合わせ

プジョーRCZ
BMWと共同開発した1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンを搭載。6ATには最高出力156ps/最大トルク240Nmの仕様を、6MTには最高出力200ps/最大トルク275Nm仕様と差別化が図られている

結論から言うと、左ハンドル/19インチが最もこのクルマのキャラクターにマッチしていた。カタチが大事、のクルマだから右でAT、18インチの安い方で十分、と思ったのだが(ちなみに右仕様をインチアップするとライドフィールは明らかに悪化する)、左の200psをじっくり乗ってみれば、その仕立ての良さにすっかり感心し、買うなら頑張ってコチラ、となった次第。本当はセミMTがあればいいけれども、運転できるのであれば3ペダルMTでもオススメだ。

とにかく、アシの動きが素晴らしい。高速クルージングでは落ち着いたしなやかさをみせ、乗り心地よく走らせる。直進安定性も申し分なし。ひとたびワインディングに舞台を移せば、FFとは思えない四肢の粘りをみせ、手ごたえのスッキリとしたハンドリングとももに、パワフルで軽快なスポーツ性をみせつける。これはもう職人ワザ。フランスのメーカーがなぜこういうクルマを造れてしまうのか、そろそろ本当の理由を知りたいところだ。

プジョーにとっては、名前に数字の入らない、初めてのモデルである。RCZの登場を期に、エンブレムも一新した(ステアリングホイールのマークだけは間に合わなかったようだ)。それだけ、このクルマに賭ける意気込みが強いということ。そういう思いさえも、クルマの仕上がりを通じてひしひしと伝わって来る。

造り手の思いがプロダクトを通じでちゃんとユーザーに伝達されること。クルマ選びにおいて、大切にしたいポイントのひとつだとボクは思っている。

プジョーRCZ
クロームリングで縁取られたメーターや下端をフラットな形状としたステアリングなどでスポーティさを演出。ダッシュボード中央にアナログ時計も備わる。ヘッドレスト一体型シートを採用した前席は、308CCより着座位置を45mm下げられている
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