メディアにほとんど載らない、モータースポーツ・ギャザリング
毎年8月中旬の週末、日本でいえば盆休みの頃、アメリカ西海岸のリゾート都市/モンテレー周辺は、世界中のクルマ好きで大賑わいをみせる。
この週末を代表するイベントとしては、名門ゴルフコースの18番ホールで開催されるペブルビーチコンクールデレガンスや、コークスクリューで有名なラグナセカサーキットで行われるヒストリックレーシングカーレース(今年からモンテレーモータースポーツリユニオンと大会名が変わった)が有名だ。もちろん今年も両イベントともに大いに盛り上がっていたが、今回はこの2つに勝るとも劣らない“クルマ揃え”で人気急上昇中のイベントを報告したい。
戦前のブガッティが自走でやってきた(ちなみにラグナセカにはグランプリブガッティが佃煮のように群れていた! )。その後ろに先日、速度最高記録を樹立したベイロンスーパースポーツが! |
それは、ペニンシュラ系のゴルフリゾート“ザ・クエイル”で開催される“モータースポーツ・ギャザリング(以下、QMG)”。入場料400ドル(1人)にも関わらず、限定数ゆえ前売りであっと言う間に売り切れてしまうというイベントで、もちろん当日券も無し。メディア登録も絞りに絞っているから、ほとんど雑誌にも紹介されないという幻のイベントだ。毎年、多くのマニアがモンテレーウィークエンドに行くが、クエイルを観たという人は相当に少ないはず。
QMGは、例年、金曜日に開催される。同じ週末に、ラグナセカやペブルビーチがあるわけだが、金曜に重なっているのはコンコルソ・イタリアーノとラグナセカの練習のみ。というわけで、QMGを見てからコンコルソに向かうというのが、例年の慣しになってきた。
以前はコンコルソを開いていた場所。ゴルフコースのフェアウェイ上に惜しげもなく名車を並べる。いくつかのテーマに沿って(たとえば今年ならシェルビーのマスタング45周年など)、その名のとおりモータースポーツに縁のあるモデルが集う。イベントの周りを固めるのは、ベントレーやロールス、フェラーリ、ランボルギー二、メルセデス・ベンツ、ランドローバーといったメジャーブランドの最新モデルたち。総出展台数は他のイベントと比べて少なめ(といっても軽く100台は超えるが)だが、歴史的に貴重なモデルばかりなので、その内容はとてつもなく濃い。微に入り細に入りじっくり見始めると、1日では足らないくらいである。
入場料には、イベントプログラムやポスターの他、伊/仏/米/独/英のランチビュッフェが食べ放題。ビールもワインもソフトドリンクも飲み放題で、さらにはスポンサーアクティビティ(SLSの試乗や、アグスタヘリの同乗など)へもアクセス自由とくれば、400ドルは決して高くない?!
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