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【日光】紅葉の見頃はいつ? おすすめスポットは? もみじの坂道、いろは坂を抜けて中禅寺湖・奥日光へ

多くの観光客が集まり、長い渋滞が起きることが季節の風物詩となっている秋の人気スポット、日光・いろは坂。今回はいろは坂中禅寺湖、奥日光の紅葉をあわせてご紹介します。渋滞を覚悟してでも見に行きたい、素敵な風景が待っていますよ。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

紅葉を先取り! いろは坂から中禅寺湖、奥日光へ

中禅寺湖スカイラインからの紅葉(1)

中禅寺湖スカイラインから眺める中禅寺湖と男体山の紅葉(2017年11月3日撮影)

夏から秋へと季節が変わった時、旅のテーマに加わるのが紅葉。美しく色づく木々に描かれた風景は、訪れた人たちに他の季節とは異なる特別な印象を残してくれますね。

今回は紅葉の名所の中から、日光のいろは坂と中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)、奥日光の紅葉をご紹介します。

紅葉の時期は多くの観光客が集まって長い渋滞が起きることも、季節の風物詩としてニュースに取り上げられるほどの人気のスポット。そんな渋滞を覚悟してでも見に行きたい素敵な風景が待っています。
<目次>

上りと下り合わせて48のカーブ、紅葉も楽しめるいろは坂

いろは坂の紅葉(1)/黒髪平

第2いろは坂・黒髪平から望むいろは坂と紅葉(2017年11月3日撮影)

いろは坂Googleマップ)は、日光市(栃木県)と沼田市(群馬県)を結ぶ国道120号線の中で、日光市街と中禅寺湖を結ぶ坂道につけられた愛称です。
日本の道百選の碑・日光いろは坂

日本の道百選に選ばれている日光いろは坂(2017年11月撮影)

いろは坂の原型は、中禅寺湖の畔にある中禅寺や日光連山の霊峰である男体山(なんたいさん)へ向かう人たちが歩んでいた道。大正時代に車が通れるように整備され、1954年(昭和29年)には日本で2番目の有料道路となりました。
いろは坂の紅葉(2)/第1いろは坂

明智平ロープウェイから第1いろは坂のカーブの様子と紅葉を望む(2006年10月22日撮影)
左から右下に向かって、たくさんのカーブを連ねながら高度を下げていくことがわかります

その後、1965年(昭和40年)に中禅寺湖方面の上り専用ルートとして第2いろは坂が開通。今までのいろは坂は、第1いろは坂として日光方面への下り専用ルートに変わりました。1984年(昭和59年)には無料開放され、国道120号線として使われています。

日光市街の標高は500メートル前後、それに対して中禅寺湖の標高は1269メートルと実に800メートル近くの標高差があるのですが、いろは坂はそのうち約500メートル分をカーブが連続するつづら折りの坂道で上り下りします。
いろは坂のカーブの標識

「いろはにほへと」の1字が振られたいろは坂のカーブ。標識も用意されています(2018年10月撮影)

第2いろは坂(約9.5キロ)には20個、第1いろは坂(約6.4キロ)には28個のカーブがあって、各カーブに「いろはにほへと」の文字が1つずつ当てはめられています。日光から中禅寺湖まで往復して来ると「いろは歌」が完成するという趣向です。

それぞれのカーブには、何の文字のカーブを示す標識も用意されていますので、どこまで進んだかの目安にもなりますね。
いろは坂の紅葉(4)

明智平の手前にて。紅葉の時期、いろは坂は大渋滞します(2017年11月3日撮影)

日光や中禅寺湖のある奥日光は、関東地方の中でも比較的早い時期に紅葉が始まります。

いろは坂の周囲で見られる紅葉も美しいことから、例年見頃となる10月中旬~11月上旬にかけて多くの観光客が集まり、いろは坂は各地からやってくる車や観光バスで下から上まで渋滞するという状況に陥ります。
いろは坂の紅葉(5)

大渋滞する紅葉時のいろは坂。明智平の駐車場入場待ちで2時間かかることも(2017年11月3日撮影)

ちなみにガイドの経験では、10月中旬の週末で入口の馬返から明智平の駐車場まで全区間渋滞していて、通過に1時間半ほどかかりました。また文化の日(11月3日)の祝日では明智平の駐車場へ入場するまで2時間の渋滞にはまっています。

その分、ゆっくり移動するので周囲の車窓を楽しむことはできますが、同乗者がいる場合は長時間の乗車に備えて、いろは坂の入口にある馬返の駐車スペースで休憩を取ったり、ハンドルを握る時は前の車との車間距離など交通安全に十分な注意が必要になりますね。
 

明智平ロープウェイに乗って、絶景が見える展望台へ!

明智平ロープウェイと男体山

明智平ロープウェイと男体山(2018年10月7日撮影)

第2いろは坂には黒髪平と明智平に駐車場があり、車を止めて景色を眺めることができます。

そして明智平(Googleマップ)からは、目の前の山上にある明智平展望台まで明智平ロープウェイが運行中。
明智平ロープウェイ・明智平駅

明智平ロープウェイ・明智平駅(2018年10月撮影)

ロープウェイの乗車時間は3分。標高1373メートルの展望台駅からは明智平展望台へ歩いていきます。
明智平展望台からの眺め(1)

明智平展望台から眺める中禅寺湖、華厳の滝と男体山。絶景の一言です!(2017年11月3日撮影)

目の前に現れるのは、中禅寺湖と華厳の滝、男体山を一望できる絶景。思わず見とれてしまう景色です。
明智平展望台からの眺め(2)

明智平展望台から中禅寺湖と華厳の滝にズームイン!(2017年11月3日撮影)

展望台に設置されている双眼鏡やデジタルカメラのズーム機能を使えば、華厳の滝が勢いよく流れ落ちるさまを間近で見ることも可能になります。
明智平ロープウェイ・展望台駅からの眺め

展望台駅から明智平駐車場と日光市街へ続く風景を見下ろす(2017年11月3日撮影)
※赤い屋根の明智平パノラマレストハウスは2018年に解体され、現在では展望スペースに変わっています

また明智平駅の2階から中禅寺湖の反対側を見ると、明智平の駐車場と眼下に広がる日光市街へ続く道、山並みの風景を楽しむことができますよ。
いろは坂の紅葉(3)/第1いろは坂

明智平ロープウェイから第1いろは坂のカーブの様子と紅葉を望む(2017年11月3日撮影)

明智平ロープウェイの車窓からは、第1いろは坂のカーブのうねり具合も良く見えますので、ゆっくり楽しまれると良いでしょう。
明智平展望台からの眺め(3)

例年10月中旬には華厳の滝と中禅寺湖の周囲が紅葉・黄葉で染め上がります!

標高差があるため、いろは坂の紅葉・黄葉の見頃と中禅寺湖周辺の紅葉・黄葉の見頃は一致せず、中禅寺湖周辺の見頃はいろは坂よりも1週間程度早くなります。例年だと10月中旬頃、華厳の滝周辺が紅葉・黄葉で染め上がる絶景を楽しむことができますよ。

なお明智平ロープウェイは上りの最終発車時刻が通常15時10分と早く、いろは坂の渋滞状況によっては最終便に間に合わなくなりますので、ロープウェイ乗車を考えている場合は早めの時間に向かうことをおすすめします。

また以前は中禅寺湖から第2いろは坂を下って明智平に行くこともできましたが、2019年から第2いろは坂が全区間上り専用と変わったことにより、中禅寺湖からはいったん第1いろは坂を下って第2いろは坂を登らないと明智平に行けなくなりました。
 

里よりも早めに色づく中禅寺湖の紅葉

中禅寺湖スカイラインからの紅葉(2)

中禅寺湖スカイライン・中禅寺湖展望台から望む中禅寺湖の紅葉と男体山(2017年11月3日撮影)

第2いろは坂を登り切り、トンネルを抜けると中禅寺湖Googleマップ)の畔に到着します。

中禅寺湖は、国内で25番目に1番大きな湖で、火山である男体山の噴火によりできた湖。標高1269メートルという高所にあるので、日光の中でも一足早く紅葉が色づく所として知られています。

湖と紅葉を同時に見たいと思った時は、中禅寺湖の畔にある中禅寺・立木観音の横を通る道路・中禅寺湖スカイラインに向かいましょう。
中禅寺湖スカイラインからの中禅寺湖の眺め

中禅寺湖スカイライン・中禅寺湖展望台から望む中禅寺湖(2017年11月3日撮影)

終点近くにある中禅寺湖展望台(Googleマップ)では、眼下に中禅寺湖を望み、正面に男体山が見える状況で紅葉を楽しむことができます。また展望台に至る道路の途中でも違ったアングルで中禅寺湖と男体山と紅葉を見ることができますよ。
 

中禅寺湖湖畔に立つ古刹を彩る紅葉も楽しみましょう

中禅寺・立木観音を彩る紅葉・黄葉

中禅寺・立木観音を彩る紅葉・黄葉(2006年10月22日撮影)

日光連山の霊峰、男体山の麓に位置する中禅寺湖の湖畔には、古刹がそろっています。

湖の名前にもなっている中禅寺Googleマップ)は、世界文化遺産に登録された日光・輪王寺の別院。立木観音という名前でも知られています。境内に色づく木があるため、古刹の建物と紅葉をあわせて見ることができます。
二荒山神社・中宮祠を彩る紅葉・黄葉

日光二荒山神社・中宮祠を彩る紅葉・黄葉(2006年10月22日撮影)

同じく中禅寺湖の畔にある日光二荒山神社 中宮祠(ちゅうぐうし、Googleマップ)でも、境内に色づく木があり、紅葉を楽しむことができます。こちらも世界文化遺産に登録された二荒山(ふたらさん)神社の別宮にあたりますので、あわせて拝観すると良いですね。
 

奥日光の美しい滝と紅葉・黄葉の共演にも注目したい

竜頭ノ滝の紅葉(1)

奥日光/竜頭ノ滝への入口と紅葉(2018年10月7日撮影)

中禅寺湖から先は奥日光と呼ばれるエリア。ここにも紅葉・黄葉が美しい場所が点在しています。
竜頭ノ滝の紅葉(2)

奥日光/竜頭ノ滝と紅葉(2018年10月7日撮影)

中禅寺湖から日光湯元温泉方面へ少し進んだ先にあるのが、竜頭ノ滝Googleマップ)。中禅寺湖に流れ込む湯川が2本に分かれ、その流れが滝となって1本に交わる姿から龍を連想されたとのいわれがあります。
湯滝の紅葉・黄葉(1)

奥日光/湯滝の紅葉・黄葉(2018年10月7日撮影)

さらに湯川を遡った先にある湯ノ湖から流れ落ちているのが湯滝Googleマップ)。落差70メートルの滝の両サイドを紅葉・黄葉が彩ります。奥日光エリアは中禅寺湖よりも標高が高いので、紅葉の見頃も例年10月上旬~中旬と早くなります。
湯滝の紅葉・黄葉(2)

奥日光/湯滝の紅葉・黄葉(2018年10月7日撮影)

ちなみに華厳の滝と竜頭の滝、湯滝をあわせて奥日光三名爆と呼ばれるとのこと。ゆっくり時間をかけて三名爆を鑑賞するのも良いですね。

いろは坂から中禅寺湖、奥日光の紅葉をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。標高が高い所ですので、紅葉を愛でる際は暖かい服装を用意して出かけましょう。

この秋の紅葉狩りの行き先として、世界文化遺産「日光の社寺」に登録されたお寺の拝観とあわせて、いろは坂と中禅寺湖、奥日光へ出かけてみてください。
 

いろは坂、中禅寺湖、奥日光へのアクセス

地図Googleマップ

アクセス:
<鉄道>
・東武鉄道
東武鉄道・特急「スペーシアX」

東武鉄道:浅草-東武日光・鬼怒川温泉を結ぶ特急「スペーシアX」

浅草駅、北千住駅から東武日光行きの特急「スペーシアX」「けごん」「リバティけごん」に乗車して、東武日光駅下車
鬼怒川温泉方面の特急「スペーシアX」「きぬ」「リバティ会津」等では、下今市駅で各駅停車に乗り換えて東武日光駅下車

・JR
JR日光線の電車

JR:宇都宮-日光を結ぶ日光線の電車

宇都宮駅から日光線に乗車し、日光駅下車
または新宿駅・池袋駅から東武鉄道に直接乗り入れる特急「スペーシア日光」で東武日光駅下車
鬼怒川温泉行きの特急「きぬがわ」では、下今市駅で各駅停車に乗り換えて東武日光駅下車

・日光駅、東武日光駅から先
東武バス

日光駅・東武日光駅と中禅寺湖、日光湯元温泉を結ぶ東武バス

東武バス 中禅寺温泉行きまたは湯元温泉行きにに乗車します。
 明智平:明智平展望台バス停下車
 中禅寺湖展望台:中禅寺温泉バスターミナルで半月山展望台行きバス(季節運行)に乗り換え
 立木観音:中禅寺温泉バスターミナル下車、徒歩20分
 日光二荒山神社 中宮祠:湯元温泉行きバスで二荒山神社中宮祠バス停下車
 竜頭ノ滝:湯元温泉行きバスで竜頭の滝バス停下車
 湯滝:湯元温泉行きバスで湯滝入口バス停下車
※紅葉シーズンの時は、路線バスも渋滞に巻き込まれるため大幅に遅れることがあります

<車>
東北道 宇都宮インターチェンジから、日光宇都宮道路で清滝インターチェンジに向かい、国道120号線へ。
※渋滞がひどい時は日光宇都宮道路の途中から渋滞に巻き込まれますので、大きく余裕を取ったスケジュールを組むことをお勧めします。

【関連サイト】
「紅葉・黄葉の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで紅葉の名所を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「関東の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで関東の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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