妊娠・出産で女性の体は大きく変化します。そして、赤ちゃん自身にも産まれる力があります。この変化のメカニズムを見ると、女性には本来、産む力が備わっていることが実感できるでしょう。「出産が不安」「陣痛が痛そうで怖い」とやたらに心配するのではなくて、妊娠中にこの力を最大限に引き出せるような生活を心がけることが大切です。出産に向けて女性に起こる体の変化や赤ちゃんの産まれる力についてお話していきましょう。
私に赤ちゃんが産めるのかしら……?
女性には本来産む力が備わっている
初めての妊娠おめでとうございます。今のあなたは、喜びと期待で胸いっぱいだけど、不安な気持ちもぬぐえない……、そんな心境ではないでしょうか。たとえ何か不安に思ったとしても、しっかりと情報を得て、見通しをつけていくことはたくさんありますよ。出産までに、楽しみをいっぱいにして、できるだけ不安を減らしていければいいですね。
さて、妊娠が分かったときは大喜びで、経過も「順調ですよ」と告げられたとしても、漠然とした不安を感じる方も少なくありません。その理由を言葉にしてみると「妊娠はしたけど、本当に私に赤ちゃんが産めるのかしら…」というものかもしれません。なにせ未経験のことですから、心配になってしまう気持ちも分かりますよ。
まず、妊娠をしたあなたには、産む力が備わっているということを知っておいてください。女性の体は、お産の日に向けて40週間前後をかけて準備を整えて行きます。
赤ちゃんの成長と共にお腹がどんどん大きくなることは想像できますよね?それに合わせるように、女性の体も変化をしていきます。妊娠初期は、つわりに苦労する方も多いでしょう。このつわりも、なぜ起きるかという原因は、まだはっきりと分かっていませんが、「ゆっくり過ごしてね」という赤ちゃんからのサインかもしれませんよね。
「妊娠は病理でなく生理」ですので、経過に問題ない場合は、特に安静にする必要はありませんが、何でもいつも通りというわけではありません。妊娠前までは仕事に、遊びに、精一杯エネルギーを注いできていたとしたら、少しゆっくり過ごしてほしいというサインだと考えてください。
お産に向けて体も準備をする
妊娠をしたら体がやわらかくなったと感じる人もいると思いますが、これも妊娠中に分泌されるホルモンの働きによるものです。骨盤のつなぎめである骨産道は、いつもは靭帯で結ばれています。この靭帯をゆるませるホルモンが妊娠4週目から分泌されます。お産をするときにスムースに骨盤が開き、赤ちゃんが骨産道をとおりやすいように妊娠期間に準備をしているのですね。ですから、妊娠中はゆるむことを大切にしてください。
比較的快適に過ごせる妊娠中期を経て、妊娠後期になると、女性の体はいよいよ当日に向けた準備を始めます。臨月に入ると、夜中に何度も目が覚めることがあります。それは、産後すぐに始まる授乳に向けて、お母さんの体が短期睡眠サイクルになるようにレッスンを始めてくれているのです。
お産の数日前になると、便が軟らかくなる傾向があります。ホルモンバランスによるものですが、それは腸内の便が産道の邪魔にならないように排泄して全身での準備が開始したのかもしれません。女性の体に起こる変化の一つひとつが、母子に最善の状態を作る支度をしていると思うと、不思議ですよね。
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