土地購入/土地価格・地価・路線価

2006年路線価 大阪 京都は14年ぶりの上昇

2006年(平成18年)分の路線価が8月1日に国税庁より発表されました。今年は、場所によっては大幅な上昇が見られます。さて、その場所は?

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

2006年(平成18年)分の路線価が8月1日に国税庁より発表されました。相続税や贈与税を決める重要な指標の路線価。土地の価格の動向がわかることでも、毎年注目されている指標です。

去年の関西の路線価は、「2005年の路線価 関西住宅地14年連続下落」の記事でも書いたように、関西のほとんどの住宅地で、路線価は下落していました。ただ、交通の便がよく、住宅地としても人気のあるエリアでは、上昇や横ばいのところがでてきていました。さて、2006年の路線価はどのようになったのでしょうか?


大阪圏は14年ぶりの上昇

阪急百貨店前
近畿の路線価で一番高い「阪急百貨店前」。23年連続で関西トップ。阪急百貨店の建替えでますます目が離せない。
大阪圏(大阪府全域と、兵庫、京都、奈良各府県の中心区域)の宅地の標準値(標準宅地)の路線価(1平方メートル当たり)の平均は、前年より0.7%高い14万9千円で、14年ぶりの上昇となりました。

奈良県がマイナス3.3%となっているものの、大阪府が1.2%、京都府は2.0%、兵庫県が0.7%アップとなっています。京阪神エリアで評価が上昇しているのがわかりますね。昨年は、大阪府が4.7%と下落率が大きかったのですが、今年は一転して1.2%の上昇となっています。大阪都心の地価上昇が大きく動いたことがわかります。

標準宅地の評価基準額の平均額の状況(大阪圏)  (1平方メートルあたり)
区分 評価基準額の平均額(千円) 変動率
平成18年分 平成17年分 平成16年分 平成17年⇒18年 平成16年⇒17年
大阪圏 149 148 155   0.7% ▲ 4.5%
  ・大阪府 166 164 172   1.2% ▲ 4.7%
  ・兵庫県 149 148 154   0.7% ▲ 3.9%
  ・京都府 150 147 154   2.0% ▲ 3.9%
  ・奈良県  58  60  64 ▲ 3.3% ▲ 6.3%



大阪・京都の商業地が大幅上昇

近畿の路線価で一番高かったところは、今年も大阪市北区の阪急百貨店前でした。23年連続で関西トップとなっており、全国でも2位。関西トップの地位は不動のようです。ちょうど、このビルは建替え中。41階建てのビルに、百貨店とオフィスが入る梅田の新しい顔になります。全てが開業するのが2011年とかなり先になってしまいますが、とても楽しみですね。ますます、土地の価値がアップするかもしれません。

この「阪急百貨店前」の去年からの上昇率は、19.2%アップ。この上昇率も、近畿で一番。路線価が高いエリアが、更に上昇していることがわかります。 次に上昇率が高いのが、京都の「四条河原町」交差点付近で、上昇率も17%弱。京都で一番賑やかな繁華街ですが、大阪にもひけをとらない上昇率です。一方、神戸では 三宮駅の「三宮センター街」がトップですが、上昇率も4.5%と上げ幅が小さくなっています。


京都が神戸を抜いた

上昇率での京都と神戸の差は歴然でしたが、路線価自体にも変化が現れています。 神戸でトップの「三宮センター街」の路線価は、17年が179万円、18年が187万円。一方、京都でトップの「四条河原町」では、17年が173万円、18年が202万円。なんと、京都が神戸を抜いているのです。

標準宅地でも、京都府の上昇率が2.0%と近畿で一番高かったですね。繁華街、住宅街ともに京都の躍進が目だっています。

次のページでは、住宅地を中心に、府県別に詳しく見てみましょう。
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