去年の関西の路線価は、「2005年の路線価 関西住宅地14年連続下落」の記事でも書いたように、関西のほとんどの住宅地で、路線価は下落していました。ただ、交通の便がよく、住宅地としても人気のあるエリアでは、上昇や横ばいのところがでてきていました。さて、2006年の路線価はどのようになったのでしょうか?
大阪圏は14年ぶりの上昇
近畿の路線価で一番高い「阪急百貨店前」。23年連続で関西トップ。阪急百貨店の建替えでますます目が離せない。 |
奈良県がマイナス3.3%となっているものの、大阪府が1.2%、京都府は2.0%、兵庫県が0.7%アップとなっています。京阪神エリアで評価が上昇しているのがわかりますね。昨年は、大阪府が4.7%と下落率が大きかったのですが、今年は一転して1.2%の上昇となっています。大阪都心の地価上昇が大きく動いたことがわかります。
区分 | 評価基準額の平均額(千円) | 変動率 | |||
平成18年分 | 平成17年分 | 平成16年分 | 平成17年⇒18年 | 平成16年⇒17年 | |
大阪圏 | 149 | 148 | 155 | 0.7% | ▲ 4.5% |
・大阪府 | 166 | 164 | 172 | 1.2% | ▲ 4.7% |
・兵庫県 | 149 | 148 | 154 | 0.7% | ▲ 3.9% |
・京都府 | 150 | 147 | 154 | 2.0% | ▲ 3.9% |
・奈良県 | 58 | 60 | 64 | ▲ 3.3% | ▲ 6.3% |
大阪・京都の商業地が大幅上昇
近畿の路線価で一番高かったところは、今年も大阪市北区の阪急百貨店前でした。23年連続で関西トップとなっており、全国でも2位。関西トップの地位は不動のようです。ちょうど、このビルは建替え中。41階建てのビルに、百貨店とオフィスが入る梅田の新しい顔になります。全てが開業するのが2011年とかなり先になってしまいますが、とても楽しみですね。ますます、土地の価値がアップするかもしれません。この「阪急百貨店前」の去年からの上昇率は、19.2%アップ。この上昇率も、近畿で一番。路線価が高いエリアが、更に上昇していることがわかります。 次に上昇率が高いのが、京都の「四条河原町」交差点付近で、上昇率も17%弱。京都で一番賑やかな繁華街ですが、大阪にもひけをとらない上昇率です。一方、神戸では 三宮駅の「三宮センター街」がトップですが、上昇率も4.5%と上げ幅が小さくなっています。
京都が神戸を抜いた
上昇率での京都と神戸の差は歴然でしたが、路線価自体にも変化が現れています。 神戸でトップの「三宮センター街」の路線価は、17年が179万円、18年が187万円。一方、京都でトップの「四条河原町」では、17年が173万円、18年が202万円。なんと、京都が神戸を抜いているのです。標準宅地でも、京都府の上昇率が2.0%と近畿で一番高かったですね。繁華街、住宅街ともに京都の躍進が目だっています。
次のページでは、住宅地を中心に、府県別に詳しく見てみましょう。