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総量規制のしわ寄せ~年金担保融資へ駆け込み増加(2ページ目)

2010年6月18日の改正貸金業法が完全施行され3カ月。総量規制の導入により、お金を借りることができなくなってしまった年金受給者たちが「年金担保融資」に駆け込んでいます。低利で審査も緩く、利用しやすいイメージの年金担保融資ですが、裏腹に大きな危険を潜んでいます。

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

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借金の借換えでの利用はタブー

年金担保融資で生活保護になってはいけない

お金はいくつになっても必要な時があります。借金を年金担保融資で返すことはやめましょう。

一般の貸金業者、消費者金融などからの借入れは、自己破産の手続きにより債務が免責されます。ほかの債務とともに年金担保融資があったとしたら、ほかの債務は消すことができても、年金担保融資だけは年金からの天引きという形で返済が続きます。

もっというと、多重債務の返済が困難となり、年金担保融資で借換えという形で返済してしまった場合、普通の債務整理では借金が減るまたはなくなるということがおこるのに、そういうことが全くおこらず、年金担保融資で借りた金額だけ返し続けるのです。債務整理をしていれば返さなくてよかった借金も、年金担保融資により返さなくてはいけないものになってしまうのです。

年金担保融資の使い道には特に制限なく、医療・介護、冠婚葬祭など突発的な出費のほかに、借入金借換も選べます。借入金の利息を軽くして、返済負担を軽減し、計画的に返済を継続するという目的がある場合は別ですが、多重債務から逃れる1つの策として利用することはお勧めできません。

年金受給者の多重債務問題でも、まずは相談

貸金業法が改正され、融資枠が減ってしまったことや、上限金利が低く定められたことなどから、もう借金の払い過ぎなどはおきないだろうと思う方もいるようです。ですが、高利で借りた借金は、今でも引き直しができます。年金担保融資で借りて返さなくても、債務整理をすることで実はお金が戻ってきてしまった、という嬉しいケースもあります。
収入が限られやすい高齢期、もらえる年金を減らすという危険を冒すよりは、借金は借金できちんと対処し、生活の維持、再建には年金を有効に使うようにしたいですね。
年金をもらいつつ、生活保護に頼るなどは、できるだけしたくないものです。
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