大きな部屋を小さく区分けすることで、SOHOワーカーのテナントを獲得する! |
・コンバージョンで資産再生
コンバージョンとは、オフィス・テナントビルのフロアーを住居系に用途変更することであり、主に空室対策方法として用いられる手法だ。
2003年問題で都心では未だにオフィス・テナントビルの空室が目立っている。1年や2年空室のままのオフィス・テナントはもはや珍しくない。
そこで、今回は、通常のオフィス・テナントの中でも小規模の(約10坪~30坪ぐらいまで)オフィス・テナントの空室を埋める方法を解説したい。
大きな部屋を小さく区分けして貸す方法
小規模のテナント・オフィスの空室を埋める対策の一つとしてSOHO対応がある。SOHOとは、Small Office Home Officeの略のことで、事務所兼自宅として利用することが出来る小規模の事務所のことである。
今回は、1つのフロアを1部屋約2坪ほどの小規模に区分けして活用する方法について解説しよう。
区分けのイメージはカラオケボックスを想像していただくといい。カラオケボックスは一つのフロアーをいくつもの部屋に区分けして利用している。
これをオフィスに応用するのである。
最近ではサラリーマンから独立、起業する人も増えていることもあり、SOHO専用事務所の需要は多い。
さらに、独立当初は、極力お金は掛けたくないのがSOHO起業家の共通意識だ。
ちょっとした事務所を借りるだけでも資金は結構な負担となるからだ。
たとえば、1ヶ月の家賃が10万円の事務所を借りる場合の費用負担を考えてみよう。
・ 礼金2ヶ月
・ 保証金5ヶ月
・ 仲介料1ヶ月
・ 前家賃1ヶ月
合計家賃の約9ヶ月、10万円×9ヶ月=90万円 がかかることになってしまうのである。
これに、開業に伴う備品を含めると軽く100万円は吹っ飛んでしまうのだ。
SOHO事務所の場合、一部屋ごとが約2坪ぐらいに区分けされているから、賃料は1部屋当たり約3万円程度になる。
通常のように事務所を借りることを考えれば、かなりお得。
しかも、一般的な契約条件での契約ではないため契約時に礼金や多額な保証金も必要としない。
しかし、オーナーからすれば賃料が安い分、収益が極端に減るように思われるかも知れない。
ところが、1部屋ごとに区切ることで、逆に坪単価は高くなることになるのである。
例えば、通常家賃10万円、広さ10坪のオフィスがあったとする。そこをスモールオフィス対応にリニューアルして1部屋当たり通路なども合わせて4部屋が出来るとしよう。
合計の家賃は1ヶ月3万円で4部屋であるから12万円の家賃収入が見込めることになり
月あたり2万円の賃料収入アップになるわけだ。
1フロアー当たりの工事料内容は、
(1)インターネット接続工事(建物に光ファイバーが既に設置されている場合)30万円から40万円
(2)各部屋区分け工事約20万円
4部屋を区分けした場合の工事料は、20万円×4部屋=80万円
(1)80万円+(2)40万円(インターネット接続工事)=120万円
が目安になるだろう。
メリット・デメリット
SOHO事務所のメリットとしては次の5つがあげられる。1. 坪当たりの収益性を増やすことが出来る。
2. 区分けして貸すことでリスクヘッジすることが出来る。(一気に空室になることがない)
3. 長期間の空室に悩まなくなる。(貸しやすい)
4. 口コミで入居者が集まる。(起業家が起業家を紹介してくれる)
5. 住居系のコンバージョンほどコストがかからない。
一方、デメリットとして考えられることは・・・
1. 都心のオフィス街の立地などには向くが住宅地などのテナントには向かない
2. 各部屋ごとに高速ネット回線や家具などの設備投資が必要とされる。
3. 事業を始めたばかりの方がターゲットになるので滞納の心配がある。
このように、長期間空室になっているオフィスは小さく区分けしてすることにより、収益性を改善することができる。
長期空室でお悩みの方は、是非、SOHO対応リニューアルを考えてみてはいかがだろうか?
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