アパ・マンの新築を計画する場合、もっとも入居者の多い3月にあわせて建物の完成時期をもってくるケースが多い。
この場合、完成の前年より建築がはじまるはずであるが、個人事業主の課税期間は1月から12月までである。
それでは事業開始年度以前にかかった費用はどのように扱われるのだろうか。

アパ・マン新築にかかる3つの費用

アパ・マンの新築にかかる費用には

(1) 建物本体にかかる取得費
(2) 管理費や修繕積立金、固定資産税、損害保険料、借入金の利子や減価償却費などの経費
(3) 事業開始にかかるその他の経費

がある。
このうち事業開始年度以前にかかる費用としては(3)に分類されるものがあげられる。

具体例で考えてみよう。
サラリーマンのAさんはアパートを所有地に建築中である。3月の建物完成に向けて12月より建築に着工しているものとする。
所有地が遠方にあること、また、仕事も忙しく事業計画を管理することもできないので、あるコンサルティング会社に事業計画の管理を委任した。

12月には依頼したコンサルティング会社に手数料を支払った。
また、入居募集や物件管理のことも考えて、12月のうちから仲介業者と管理会社を選定するため、現地に数日滞在した。

Aさんの支払うコンサルティング料や交通費、滞在費などは12月に発生しており、事業開始は4月からである。

新築にかかる費用を明確に記録しよう!

Aさんが支払ったこれらの費用は「開業費」に分類されることになる。開業費とは、個人事業を開始するまでに特別に支出する費用をいう。
Aさんが支払ったようなコンサルティング料や交通費、滞在費のほか、入居募集の広告などを作成した場合にかかる費用なども開業費として認められる。
このように開業準備のために特別に支出されたものであり、かつ、資産の取得に要した金額とされるべき費用以外のものは必要経費として収入金額から控除することが可能である。

さて、この開業費についてであるが、開業後5年以内に費用として計上することとされている。
しかし、個人事業主の場合、青色申告をしていれば、3年間にわたって損失を繰り越すことが認められていることから事業開始年度に一括して経費計上してしまっても差し支えはないだろう。

ただ、何を開業費として認めるかどうかはあくまで所轄の税務署によって見解が異なるようである。節税のためにも領収書をとるなどしてアパ・マンの新築にかかる経費を明確に記録しておくべきである。
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