急激な減少の原因は?

新設住宅着工戸数 大幅減少!!


ご存知の方も多いと思いますが、8月31日に、国土交通省から、平成19年7月の新設住宅着工戸数の発表がありました。

なんと、前年同月比で23.4%の減少だそうです。減少率でみると、約10年ぶりの減少となるようです。

一体なぜこのようなことが起きたのでしょうか。今回は新設住宅着工戸数減少の原因と、現場サイドの実情をお伝えしたいと思います。

まず初めに、今回の変動を詳しく見てみましょう。国土交通省によると、今年7月の新設住宅着工戸数は8万1714戸となり、前年同月に比べ23.4%減りました。

この減少率は1997年11月以来、約10年ぶりの大きな減少となります。内訳を見ても、持ち家、貸家、分譲とも20%超の減少で、工場や店舗など非居住建築物の着工床面積も21.3%のマイナスとなり、軒並み減少です。

このように、建物の種類を問わず、全体的に着工戸数が減少しているのには、実は理由があるのです。

建築基準法改正と現場の実情


今回の大幅減少の原因は、今年6月20日より施行された、改正建築基準法の影響といわれています。

改正建築基準法の影響については、以前にも、2007年07月14日、2007年08月14日の2回にわたってお伝えしましたが、どうやら、今回の法改正に伴う現場サイドの混乱が大きく影響しているようです。

まず、法改正の内容をざっとおさらいしますと、今回の改正では、構造計算書の二重チェックに加え、申請書類に不備があった場合、審査段階での修正を認めず、再申請させるなど確認申請の手続きを厳格化しました。

そうはいっても、建築主は自治体や民間の検査機関から建築確認を受けないと着工できません。手続きが厳しいからといって、確認申請を出さないわけにはいきませんよね。

ところが、今回の法改正では、施行したは良いものの、改正法の詳細な解説書の発行が遅れる、指針の発表は遅れるといった現場サイドの混乱も発生し、設計士さんがキチンと申請を出せる状態になるまで、かなりの時間がかかったようです。

知り合いの設計士さんも、
「改正後の審査基準がよくわからない」
「行政の指針がでないので、仕事にならない」とぼやいていました。

他の地域の設計事務所に聞いてみても、皆さん、現場の戸惑いがあり、申請を手控えたり、審査期間が長期化しているようです。

建設会社の営業担当からも、事前の確認作業等も含め、改正前より3ヶ月は長く計画期間を設定しているという話を聞きました。他の建設会社でも、申請資料が整った後、再び図面と構造計算書を突き合わせるなどの作業手順を加えることによって、大幅に計画期間が延長しているようです。

その他にも、新聞報道等によれば、
「これまで1カ月で建築確認がおりていたが、法改正後は『完了まで3カ月みてください』と自治体に言われるようになった」という声、

自宅の建替えを進めていたが、
「手続きの遅れで仮住まいの期間が予定より数カ月長引いてしまった」という声が続々と寄せられているようです。

また、「書類の厚さが3倍になった・・・」といって嘆く、設計士さんの声も聞こえてきます。どうやら、書類をそろえるだけでも、かなりの手間がかかるようです。

以前からもお伝えしておりましたが、現場レベルでも、実際に影響が出ているようです。当社でも現在、マンション計画を企画しておりますが、工期に影響が出ないよう、細心の注意を払って計画しているところです。

これからアパ・マン建築をお考えの方は、余裕を持った工期設定、プランニングを心がけてくださいね。
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