入居者から減額交渉されたら?

以前、家賃の値上げについてお話しました。(2007年9月26日2007年9月27日)相場の家賃より低い家賃で貸している場合には、条件を整えれば更新時に値上げできるということでしたね。

では逆に入居者より家賃の値下げ交渉を受けた場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?

実は入居者からの家賃交渉には2つのポイントがあります。

この2つのポイントを押さえておけば、単に入居者の要求を受け入れるのではなく、逆に有利な条件を引き出すことすら可能になるのです。

そこで、今回は値下げ交渉に対抗するための2つのポイントについて解説します。

家賃交渉に対抗するための2つのポイントとは?


先日あるアパートの入居者より、家賃の値下げを持ち出されました。

「私はこのアパートにもう6年も住んでいます。もうすぐ契約更新だと思いますが、これからも長く住みたいと考えています。家賃をもう少し安くしていただけませんか?値下げしてもらえたら、すぐに書類にサインします。」

家賃交渉に対抗するためのポイントは以下の2つです。

1.損得を考えて家賃交渉すること

2.工夫して条件提示すること

損得を考えて家賃交渉すること


例えば原状の家賃が60,000円だったとします。仮に5,000円値下げして2年間引き続き住んでもらった場合、あなたの損失は5,000×24ヶ月で120,000円です。

ここで、そのお部屋を原状回復するための費用を考えます。もし、

 原状回復費用 > 120,000円

となるのでしたら、5,000円ぐらいは値下げしてもこのまま住んでもらった方が得になります。逆に、

 原状回復費用 < 120,000円

となるのでしたら、5,000円は値下げしすぎということになりますので、原状回復費用と同じになるような家賃の値下げ幅をつかんでおきます。

減額幅をつかんでおけば、入居者から値下げ交渉を受けた場合にも、「今、更新を決めていただけたら、家賃を●●円値下げしますよ!」とすぐに対応できるのです。

また、更新の時期が入居の決まりやすい時期かどうかを考えることも重要です。なぜなら、空室になってしまうと、家賃分まるまる損失となるからです。

もし退去されてもすぐに入居者が決まるとある程度見込めるなら、強気に対応することもできると思います。でも、入居が決まりにくい時期なら、入居者の値下げ交渉を受け入れた方が得な場合もあります。

例えば、更新時期が7月末だったとします。家賃値下げを受け入れなかったために、入居者が退去するとすると、8月は空室になってしまう可能性が高くなります。(リフォームに2週間はかかりますし、8月は1年の中でもっとも入居が決まりにくい時期です。)

このように入居が決まりやすい時期かどうかを考えて交渉することも大切なのです。

さらに、家賃値下げのかわりに更新型の契約から、定期借家契約に変更する、というのもあなたにとって有利となる提案といえるでしょう。(入居者の同意があれば、普通借家契約から定期借家契約に変更することが可能です)

工夫して条件提示すること


家賃値下げの変わりに、何かプレゼントすることも一つの方法です。一番よいのは、設備の仕様をあげてあげるような提案をすることです。

・トイレをウォシュレットに交換
・インターフォンを液晶つきのカラーインターフォンに交換
・洗面台をシャンプードレッサーに交換

確かにお金はかかりますが、これらはアパートの競争力アップにもつながることなので、入居者が納得してくれればあなたにとっては一石二鳥の提案となります。

基本的に値下げには応じない!


単に、今出られたら困るというマイナス面ばかりを考えていてはいけません。そうなると入居者の要求をのむしかなくなります。

このように、お互いの損得を考えながら家賃交渉に臨むことができれば、逆に定期借家に切り替えたり、家賃据え置きの代替提案ができたるといった、有利な条件を引き出すことができるようになります。

そのためにも、日ごろから、

・原状回復にはどれぐらいの費用がかかるか?
・入居者はどんな設備を好むだろうか?
・今空室になったらどれぐらいの期間で入居がきまるだろうか?

といったことをつかんでおくようにしましょう。

あわせて、普段から掃除やアパートのバリューアップを心がけましょう。また、入居者のクレームには即対応しなければなりません。
そうすれば、家賃値下げ交渉を受けたとしても、やすやすと応じる必要はなくなります。

実際には難しいかもしれませんが、

「管理をきちんとしていますし、アパートが生活しやすくなるよう心がけています。値下げ以外でお部屋が使いやすくなるようなご提案はできますが、それでも家賃の値下げをご希望されるなら、他のアパートをお探しください。」

というような毅然とした態度で入居者と対応することができます。損得から家賃の減額を考えるのはそうした気持ちがまず最初にあっての話なのです。
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