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2つのローン返済方法の違い?

何も言わなければ銀行は元利金等返済を指定してきますが、うまく交渉すれば元金均等返済にすることもできます。でも、銀行と交渉するにもまずは返済方法の種類と違いをしっかりと把握しておく必要があります。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

2つのローン返済方法の違いを知っておこう!

以前からプロデュースしている「売れる戸建賃貸」ですが、また新たに横浜の方でも計画が進むことになりました。

今回戸建賃貸の建築を決められたMさん、実はご自分で直接銀行と交渉し、素晴らしい条件で融資を引き出しておられます。なんと、借入期間20年、全期間固定金利3%、しかも元金均等返済です。

民間の金融機関で20年の固定金利という条件を引き出せるのは本当に素晴らしいことだと思います。私が日頃お付き合いさせていただいている都市銀行や地方銀行でも10年間の固定期間が限界です。

でも、もう一つ、「元金均等返済」でローンを組まれたこともよく考えておられるなと感じました。

「元金均等返済?そもそも返済の仕方って選べるものなの?」

はい、何も言わなければ銀行は元利金等返済を指定してきますが、うまく交渉すれば元金均等返済にすることもできるのです。でも、銀行と交渉するにもまずは返済方法の種類と違いをしっかりと把握しておかなければなりませんね。

そこで今回は2つのローン返済方法のメリット・デメリットについてみていきましょう。

元利均等返済


元金と金利を合計し、毎月の返済額が均等になる返済方式です。初期の返済金額の大半は金利の支払いに回されるため、元金の減りが遅いのが特徴です。
例えば、30年ローンを組んだ場合、10年後の元金の返済金額は5分の1程度です。
メリット
(1)毎月の返済金額が同じなので返済計画が立てやすい。
(2)返済の初期の時点では経費化できる金利が多く、元金返済額が少ないためにキャッシュフローがよくなる。
(3)元金の返済額がなかなか増えていかない。だから、借金による資産の圧縮の効果が期待できる。そのため、相続対策として活用しやすい。

デメリット
(1)元金の返済がなかなか進まない。
(相続対策として資産の圧縮をする場合はメリット)
そのため、金利負担が膨らみ、結果として返済総額が多くなる。

元金均等返済


毎月均等割りした元金に利息を加えていく返済方式。初期の返済金額は元金に利息が上乗せされるために支払額は多くなりますが、元金は毎月一定額減っていきます。
例えば、30年ローンを組んだ場合、10年後には元金の返済金額は3分の1になります。
メリット
(1)利息の元となる元金が毎月一定額減っていくため毎月の返済額が徐々に減少する。
(2)元利金等返済方式に比べて返済総額が少なくてすむ。

デメリット
(1)初期の返済額が多いので、負担が重くなってしまう。
(2)経費にならない元金の割合が高いため、キャッシュフローが悪くなる。

※民間の銀行では元金均等返済方式が選べる商品を提供しているところは少ない。
ただし、住宅金融支援機構の融資では元金均等返済方式を選択することができる。

まとめ


以上元利均等返済方式と元金均等返済方式それぞれの特徴についてご紹介しました。どちらを選択するかによってローンの返済総額や返済期間のキャッシュフローが変わってきます。
ローンは一度借りてしまうとすぐに返済することはできません。どちらの返済方法にもメリット・デメリットはありますが、まずは2つの返済方法を把握し、あなたにとって最適な返済方法を選択するようにしましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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