アパートマンション経営/アパート・マンション経営のはじめ方

住宅金融支援機構を使う場合の注意点(3)(3ページ目)

住宅金融機構から融資を受ける場合、収支計画上、いくつか注意すべきポイントがあります。事業計画全体に関わる重要な注意点もありますので、今回の記事でしっかりマスターしてください。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド


金利種別:15年固定と35年固定


続いて、金利種別のお話です。このあたりは収支計画に直接影響がある項目ですので、しっかりと検討してください。

住宅金融支援機構を使う場合、「35年固定金利」と「15年固定金利」のいずれかを選択できます。「15年固定金利」を選択した場合は、固定期間終了後、再度金利が見直しになります。見直し後は、残返済期間のすべての期間を固定金利とし、「見直し時点における金利」が適用されます。

なお、この「見直し時点における固定金利」は、機構の賃貸融資金利のうち、「固定期間が最も短い金利」が適用になります。

分かりにくいので具体例を挙げると、

●30年返済の場合、15年経過後の残期間は15年。したがって、見直し時には15年固定の金利が適用されます。

●一方、35年返済の場合、15年経過後の残期間は20年。したがって、見直し時には35年固定の金利が適用されることになります。

さて、次に双方のメリットを比べてみましょう。

35年固定を選択すれば、それで借入期間中の金利が決定してしまいますので、収入さえキチンと確保できれば、金利上昇局面でも、安心してアパ・マンを経営できるというメリットがあります。

一方15年固定金利は、35年固定金利に比べて、利率がコンマ数%低いため、経営初期のキャッシュフローは良くなります。後は、15年後に固定期間が終わった際の見直し金利がどの程度になるかによって、大幅に収支は変わってきます。

どちらを選択するか、なかなか判断が難しいところですが、今後の景気動向等をご自身でしっかり検討したうえで判断してください。

老婆心ながら、申込書に金利種別を記載する欄がありますが、申込後は変更できませんので、間違えないように記載してください。

さて、少々長くなりましたが、今回は融資を受ける際の収支計算について、注意すべきポイントをお伝えしました。いろいろと注意点はありますが、機構融資には色々な特徴があります。メリットを活かして賢く活用してください。
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