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住宅金融支援機構を使う場合の注意点(3)

住宅金融機構から融資を受ける場合、収支計画上、いくつか注意すべきポイントがあります。事業計画全体に関わる重要な注意点もありますので、今回の記事でしっかりマスターしてください。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

住宅金融支援機構を使う場合の注意点とは?

前回は住宅金融支援機構(以下「機構」)から融資を受ける際の注意点として、事業収支・担保評価について概要をお伝えしました。今回はその続きです。

実は機構から融資を受ける場合、収支・担保評価以外にも、いくつか注意すべきポイントがあります。具体的には、「事業主体」「諸経費」それから「金利種別」です。中には、事業計画全体に関わる重要な注意点もありますので、今回の記事でしっかりマスターしてください。

事業主体の設定:年齢制限と新設法人


まずは、事業主体の設定です。ここで言う事業主体とは、建物を建てる名義人です。これは民間金融機関の場合でも問題になりますが、機構の場合でも年齢制限があります。具体的に言いますと、名義人が65歳未満であることが資格要件になります。もし65歳以上であれば、事業承継者として、65歳未満の人を「連帯債務者」に追加しなければなりません。

なお、後述しますが機構で融資を受ける際、「連帯保証人」は原則として不要です。というのも、機構融資には「機関保証制度」という制度があり、保証料の支払いを条件に、財団法人首都圏不燃建築公社、または財団法人住宅改良公社があなたの事業計画の連帯保証人となってくれるのです。

上記2社の保証を受けない方法もあるのですが、非現実的なので、ここでは原則として上記2つの公社が連帯保証する点を覚えておいてください。

それから、事業主体をめぐって、もう一つ注意点があります。それは、新設法人名義での借入です。通常、建物を建築する際の名義は計画地の地主さん名義になるのですが、節税対策等の事情により、法人を新設して法人名義で建物を取得することがよくあります。

しかし、住宅金融支援機構を使う場合、実は新設法人での借入には、ちょっとしたポイントに注意する必要があります。

私も以前、ある地主さんの建築コンサルティングを通じて機構を使ったことがあります。その際も節税対策等事情から新設法人名義で進めていたのですが、機構の窓口担当者から「新設法人への融資は原則として取扱できません」と言われたことがあります。

機構が新設法人に融資をしない要因は、以下の理由によるそうです。

●新設法人の場合、まだ決算書等が存在せず実態を確認できないため、そもそも融資の対象にならない
●実態の良く分からない法人に貸してしまうと、不動産に貸し付けたはずのお金が他の事業に流用されてしまう

そうは言っても、何とか新設法人で融資を受ける必要があったため、色々と担当者と交渉しておりました。すると、条件付きで融資が可能となることが分かりました。その条件とは、新設法人が「純然たる資産管理会社」であることを担保することです。

「純然たる資産管理会社」として融資を受けるためには、以下2点をクリアする必要があります。
(1)定款に記載する「目的」の欄を、不動産賃貸賃業、不動産管理業などに絞ること。
(2)必ず法人の代表取締役を連帯債務者にすること。

新設法人名義で建物を建築できれば、消費税還付や、その他の節税方法でも大きなメリットがあります。もし所得規模の大きい方であれば、所得分散の意味もありますので、新設法人での取得を考えてみてください。

さて、次は具体的な収支計算についてのポイントです。ここでも機構独自の注意点がありますので、早速次頁で説明します。
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