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申込後のドタキャンにご用心!

内見後、入居申込をして、契約日も確定し、契約書類を送付しているにもかかわらず、契約の数日前に突然契約を白紙撤回される、というケースがけっこうあるのです。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド

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申込後のドタキャンにご用心!
9月も終盤、不動産業界の繁茂期真っ只中ですが、空室は順調に決まっていますでしょうか。幸いなことに、当社でも仲介会社からの空室照会がひっきりなしで、スタッフ一同うれしい悲鳴をあげています。

しかし、一方では困ったことも起こってきています。

突然のドタキャン

それは、契約前の「ドタキャン」です。内見後、入居申込をして、契約日も確定し、契約書類を送付しているにもかかわらず、契約の数日前に突然契約を白紙撤回される、というケースがけっこうあるのです。

繁茂期には、毎回必ずといっていいほどこのドタキャンが数件でてきてしまいます。つい先日も、空室を決めてくれた仲介業者から、

「すいませんー。今日契約予定だったのですが、賃料の問題で今回はキャンセルということです。また次がんばりますのでよろしくお願いしまーす」

という連絡が入りました。

思わず、「なぜ、今さら……」と言ってしまいそうになる出来事ですが、本当に悔しい思いでいっぱいになります。契約日が確定すると、その契約に向けて、

・契約書類作成
・必要に応じてカギ交換
・賃貸ポータルサイトの更新
・自社HPの更新
・POP類の片付け

など、契約前準備作業を行います。時間にして数時間。これが一瞬で無駄になるのですからたまったものではないのです。作業をしてくれたスタッフの労力を考えるとキャンセルの連絡をしてくる仲介会社へ怒りが向いてしまうのも仕方がありません。

オーナー側としても、空室募集をストップしてしまった期間の機会損失が生じるので大きな痛手を被ることになります。契約がキャンセルになった場合、上記のような作業費・機会損失を誰かに請求できるかと言えば、実際にはどこにも請求できないのが実情です。
確かに、入居申込書の中に、

「契約の意思を示した場合で、入居者都合で契約をキャンセルする場合、違約金●●円が発生するものとする」

といったような文言をいれて、ドタキャンに備える、という方法もあるかもしれませんが、入居の申込をさせにくくしてしまっては、本末転倒ですよね。また、仮にそのような条件で入居申込後、キャンセルになって違約金を請求したとしても果たして入金されるかどうかは甚だ疑問です。

でも、よく考えてみれば、このような直前のキャンセルなどは、できる仲介営業マンならまず起こらないと思うのです。

キャンセルが起こる場合

・入居者の意思確認もあいまいなまま無理やり契約させようとした……
・事前に費用的なことについて伝え忘れ、契約日当日になって追加で費用がかかると話した……

などが考えられると思います。もちろん、本当にお客様都合でキャンセルになる場合もあるでしょうが、これは、防ぎようのないことだと思います(お金がどうしても工面できなくなってしまった、など)。

客付け営業をしていると、

「この人、よくお客さんを紹介してくれるけど、何だかやりとりが雑だな……」

と感じる営業マンがでてきます。そんな営業マンには要注意。当社では、やはりそのようなタイプの営業マンに数件の契約をドタキャンされたことがあります。

そこで、仲介営業マンのブラックリスト的なものを作成してしまう、というのも良い対策のように思います。もちろん、社内・家族間での共通事項として共有できていれば何も書面にする必要はありません。

「あの仲介不動産会社が悪い……」というよりも、営業マン個人のレベルによって生じる問題のように感じています。

その一方で、よく客付けしてくれ、かつ、契約までスムーズに誘導してくれる営業マンが分かってくれば、その営業マンには特に手厚く連絡する、といったことはこの繁茂期には本当に有効な方法と思います。

仲介会社に客付け依頼訪問をする際や電話で問い合わせをする時に、営業マンの対応や接し方などをあわせて観察してみましょう。対応のキチンとした営業マンは必ずやあなたにとって心強い味方となってくれることでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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