アパートマンション経営/アパート・マンション経営のはじめ方

住宅金融支援機構を使う場合の注意点(3)(2ページ目)

住宅金融機構から融資を受ける場合、収支計画上、いくつか注意すべきポイントがあります。事業計画全体に関わる重要な注意点もありますので、今回の記事でしっかりマスターしてください。

浦田 健

執筆者:浦田 健

アパート・マンション経営ガイド


諸経費計上に関する注意点について


住宅金融支援機構で融資を受ける際、建築に伴う諸経費に関して、民間の金融機関と異なる計算が必要になります。軽減措置等のメリットがある一方、余分に係る経費もありますので、しっかり押さえておいてください。

(1)抵当権設定時の登録免許税が不要
通常、融資を受ける際、抵当権設定時には登録免許税がかかります。その額、借入額の0.4%。仮に2億円の建築費なら80万円もかかります。ところが、機構融資を受ける際には、この登録免許税が非課税となるため、諸経費の負担が少なくなります。

※ただし、資本金5億円以上の法人による申込みの場合は不適用

(2)火災保険料が割安
機構の特約火災保険は、一般的な火災保険と比較して割安と言われています。おおむね一般の50%程度になります。

ご自身の物件でどの程度の保険料になるのか、機構のHPで計算表を公開しておりますので確認して見て下さい。

(3)不動産取得税
不動産取得税は通常、課税評価額の3%になります。仮に新築物件の課税評価額が1億円となると、300万円もの不動産取得税がかかってきます。ところが、実は機構融資を受ける場合、この不動産取得税に軽減措置が適用されます。算出式は以下のとおり。

●不動産取得税=(建物評価額-建物評価額×融資額/取得価格)×3%

この点は、以前の記事で例を交えて解説してますので、ご参照ください。

(4)機関保証料
さて、上記(1)~(3)はメリットばかりでしたが、機構を使う場合、前述のとおり財団法人首都圏不燃建築公社、または財団法人住宅改良公社が連帯保証人となります。実は、この機関保証、保証料が発生します。

保証料は、保証期間に応じて以下のようになります。(料率は平成20年11月1日現在の首都圏物件の料率)

20年以下      :1.70%
20年超~25年以下 :2.00%
25年超~30年以下 :2.28%
30年超       :2.50%

たとえば、機構融資額1億円、返済期間35年であれば、1億円×2.5%=250万円となります。この保証料は少なくない金額ですので、絶対に収支計算から落とさないように気をつけてください。
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