審査基準には返済比率という大きな壁がある!? |
「おお、そんな銀行があるんですね!?」
ある会員さん(以下Aさんと呼びます。)が住宅ローンを使って土地活用を進めることになったのですが、その融資審査の結果を聞いてびっくりしてしまいました。というのも、この方、通常の銀行なら「返済比率」という条件で門前払いされるところを、まんまと融資金を引き出してしまったためです。
最近、銀行から融資を受けるだけでも苦労しますよね。Aさんの銀行融資に関する経験談は銀行交渉する際に参考になりますので、詳細をお伝えしようと思います。
住宅ローンは通りやすい?
住宅ローンの審査は一般的に通りやすいといわれています。ただし、これは正確に言うと、
「一定の条件を満たしている方にとっては審査が緩い」
ということであって、どんな方でも住宅ローン審査が通るわけではありません。住宅ローン審査の条件に、「返済比率」というものがあります。「返済比率」というのは、「年収に占める借入金額の割合」のことで、この比率が一定数値以下でないと銀行は住宅ローンとして融資することはありません。
Aさんの事例の何がすごかったのかというと、一般的に計算すると返済比率を明らかにオーバーしてしまっているのに難なく住宅ローン審査に通ってしまった、ことです。
「意味分からないよ、もっと分かりやすく説明してよ。」
ごもっとも、確かにこれだけではいまいち話がわかりませんね。
「審査金利」と「実行金利」
ローン審査で使われる金利は、通常、「審査金利」と呼ばれているものです。銀行によってもちろん差がありますが、3~4%程度と思われます。
これに対し、「実行金利」と呼ばれるものは、一般に店頭公開されている金利になります。ご存知のように実行金利では1%台のものもあり、非常に金利が安いのが魅力です。
「実行金利はそんなに安いのに、何でそんな高い金利で審査するの?」
銀行は、
「この人、本当に返済大丈夫かな~。今はよくても金利があがって4%とかになってもちゃんと返せるんだろうな。ここは最悪の場合も考えて、実行金利よりも高い金利で審査しておいて、それでもOKなら貸してやろう。」
と判断するため、「審査金利」を「実行金利」より高く設定しているのです。
Aさんの場合、通常の審査金利といわれているような数字で返済比率を計算してみると残念ながら、まったく審査基準外。これでは融資を受けることもできず、計画を先に進めることができません。
ところが、Aさん、案件を持ち込んだ某信用金庫で奇跡(?)を起こされたのです。なんと、この信用金庫さん、「実行金利」をそのまま「審査金利」にするというのです。
結果、住宅ローンの1%台の金利で審査され、ぎりぎり審査合格。晴れて事業資金の借入に成功することができたのです。
この案件は、銀行によって審査基準は異なるということを改めて思い知らされた一件でした。断られた銀行の審査基準が他の銀行と全く同じとは限りません。融資がうまく通らず、事業をあきらめてしまう前に、思いつく限りの銀行に打診してみましょう。
もしかすると、「審査金利」=「実行金利」という審査の通りやすい銀行が見つかるかもしれませんよ。