- 素敵な和モダンリフォームで和室を有効活用
- 障子を外せば明るい和モダンに!DIYでできる簡単リフォーム
- ふすまの張替えで和モダンにチェンジ!和の色や柄を楽しんで
- 和モダンに合う壁の色は?濃すぎるくらいでちょうどいい
- 畳のデザインを変えれば、個性的な和モダンに
- 和風フローリングを使うリフォームで、完成度の高い和モダンに
- 和モダンを更に盛り上げる照明選び
- リビングの隣りにある和室のインテリアはどうする?
素敵な和モダンリフォームで和室を有効活用
平凡な和室をおしゃれな和モダン空間に変身させる、和室リフォームで押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。どこの家にもたいてい1部屋はある和室ですが、普段ほとんど使っていない、タンス置き場になっている、締め切りでカビ臭いなんてことになっていませんか?
実はこの和室、使いこなさないともったいない部屋なのです。と言うのも、まず和室は洋室に比べて、材料にも工事にもお金が掛かっています。洋室の場合は、柱は石膏ボードで覆い、天井面と壁面はビニールクロスで仕上げることが多いため、下地用の材料+ビニールクロスでこと足ります。
しかし和室は柱を見せ、天井には杉の板を貼るなど、美しい木肌を持つ仕上げ用の高級な材料が必要です。更に壁は、塗り壁や和紙で仕上げていることも多く、これらはビニールクロス貼りに比べて手間と費用が掛かっています。
床は自然素材の畳、床の間には美しい板、窓には障子など、和室の内装は洋室に比べて高級な仕上げになっているのです。
加えて和室は、家の中でも日当たりがよかったり、玄関から直接入れたり、リビングやキッチンにアクセスしやすい位置にあったりと、家の中でも主要な場所に配置されています。そんな高級で便利で快適な空間を使わないでいるのは本当にもったいない!
そこで、和室再活用のアイデアとして、平凡な和室を和モダンなインテリアに変身させる簡単リフォームの技をご紹介します。無理に洋室にしないでも和室のまま残しておけば、客間としてはもちろん、子供のお昼寝の場に、趣味の部屋や日々の暮らしの中の癒しの空間として、また洗濯物を畳んだりアイロン掛けをしたりする家事のスペースとしても便利に使えます。
ちょっと残念だった和室が見違えるように素敵になれば、和室で過ごす時間が楽しくなり、部屋の有効活用ができるようになるはずです。今回ご紹介するのは、和モダンに変身させる際に押さえておきたい5つのポイントです。
まずは障子と襖の工夫をしましょう。それから壁の色選び、デザイン畳やおしゃれなフローリング材を選べばさらにセンスアップ!コツをつかめば見違えるように素敵になります。
障子を外せば明るい和モダンに!DIYでできる簡単リフォーム
〈ポイント1〉
和室を和モダン空間に上手に変身させる1つめのポイントは、窓まわりに注目しましょう。和室には薄暗いイメージがありますが、その原因のひとつになっているのが障子です。引き違いの障子は窓の面積の半分しか開きません。つまり室内に入ってくる光量が少ないということ。また障子紙を通して差し込む太陽光は、部屋の中に柔らかく拡散するため、落ち着きはあるのですが、やはり全体的に暗い印象になります。実はこの薄暗さと落ち着きが和室の特徴なのですが、部屋として使うならもっと明るくしたいという人も多いことでしょう。
そこで思い切って障子を外せば、明るい和モダンな和室に変身します。障子は上に持ち上げて、下から手前に引き出せば簡単に外れます。
プリーツスクリーンは上下に開閉、全開口するので和室が明るくなる。障子を外し、取り付けるだけのDIYリフォームで和モダンに変身(ニチベイ)
障子を外したら、その枠にプリーツスクリーンを取り付けてみましょう。和紙のような風合いのスクリーンは和空間によく似合います。また上下に開閉、全開口するので部屋全体が明るくなります。
プリーツスクリーンは、枠の内側のサイズを測ってセミオーダーで注文すれば、ぴったり美しく収まります。今ある障子枠に取り付けるだけの簡単リフォームですから、DIYで簡単にできます。障子の存在感は大きいので、これだけでも和室のインテリアイメージが大きく変わります。
和モダン化を成功させるポイントは、思い切った色遣いをすることです。浅黄色や藍色など和の色を使えば、それだけで空間全体がおしゃれな雰囲気に仕上がりますよ。
ふすまの張替えで和モダンにチェンジ!和の色や柄を楽しんで
〈ポイント2〉
和モダンに変身させる2つめのポイントは襖です。襖は障子と同じく和室全体のイメージを決める大きなポイントになっています。和モダンに決めるなら、金色、朱色、ねずみ色、墨色など、きらびやかな和のカラーリングがおすすめです。一気に和モダン空間へと近付きます。
襖の張替えの際、和の色を意識して選ぶと上手にまとまる。派手なくらいでちょうどいい。左上から麻の葉、石畳、壇、左下から雪華、もみ、山根和紙(キシモト)
襖紙を替えるだけなら簡単です。襖紙選びの成功のコツは、窓のプリーツスクリーンと同じく和の色を意識すること。こんな派手な色で大丈夫?というくらいがちょうどよく決まります。
選ぶ自信が無い人は、ファッションでイメージしてみましょう。和室のカラーコーディネートは洋服のイメージではなく、和服のイメージで選ぶとセンスよくまとまります。襖は和服で言えば帯のようなもの。華やかで艶やかな色を選びましょう。本当に簡単なリフォームで素敵な和モダン空間に変わります。
さてここまで、DIYでも可能な簡単にできる和モダン空間へチェンジさせる方法をご紹介しました。次はリフォームの際のちょっとした選び方の工夫やアイデアで、本格的な和モダン和室を作る方法です。どれも簡単なリフォームでできます。
和モダンに合う壁の色は?濃すぎるくらいでちょうどいい
〈ポイント3〉
和モダンにするリフォームで押さえておきたい3つめのポイントは壁の色選びです。和室の壁はモスグリーンやベージュが多いのですが、ここにパキっと派手めの和の色を使うと、個性的で華やかな和モダン空間になります。和の色は自然の色、季節の色を表しているため、和室本来のナチュラルな木の色とよくマッチし、思いきった色選びをしてもしっくりまとまります。洋室では考えられないような色選びができるのが和室の醍醐味です。
和モダン空間にはやはり和の色が良く似合う。濃鼠のタイルと鬱金色の壁紙。洋室では考えられないような色選びができるのが和室の醍醐味(リリカラ)
和室の壁のリフォームは、元の壁の仕上げによって工事方法が変わります。元が塗り壁の場合は、古い塗り壁壁を剥がしてからまた塗り壁で仕上げる方法、下地を作ってビニールクロスや和紙を貼る方法などがあります。元の壁がビニールクロスの場合は、貼り替えはもちろん、壁紙を剥がさず上から重ねて塗ることができる塗り壁もあります。
和モダンには柄物の壁紙も似合う。壁全面に貼るのではなく、1面だけ部分貼りで楽しんで(ルノン)
壁紙で仕上げる場合は、柄物にもチャレンジしてみましょう。和モダンには柄物の壁紙も似合います。柄の壁紙は壁の全面に貼るのではなく、1面だけ部分貼りにしたり、床の間の壁だけに貼ったりなどアクセントにして楽しみましょう。
畳のデザインを変えれば、個性的な和モダンに
〈ポイント4〉
和モダンリフォーム4つめのポイントは畳のデザインです。畳を変えると、平凡な和室が一気に個性的な和モダンに変身します。畳というと緑色のイグサでできてクラシックな畳フチが付いているイメージがありますが、今どきの畳は素材も色も形も自由自在、フチありかフチ無しかでもイメージが変わります。畳のリフォーム方法には大きく分けて、今ある畳の表替えだけする方法と、畳床ごとすべて交換する方法があります。
畳の表替えは、畳の形はそのままで表面だけを貼り替えます。畳表にはイグサ製品以外に、和紙や化学繊維製品などがあり、カラーバリエーションが豊富なため、畳表を変えるだけでも和室のイメージは驚くほど素敵になります。表替えなら簡単にでき、費用も安く済みます。
フチなしの和紙の畳表。畳の表面を変えるだけでもこんなにすっきりとした和室になる(ダイケン畳/大建工業)
そしてそこから更に個性的でおしゃれな雰囲気にしてくれるのが畳床ごと交換してデザイン畳を敷き詰める方法です。デザイン畳は表面だけでなく、畳の形も大きさも自由自在です。
畳は長方形や正方形でなくてもいいのです。北欧インテリア風やアジアンテイストなど、今までの畳の概念をくつがえすような様々なデザインの畳があります。
化学繊維のデザイン畳「おり座」を使った和モダンの事例。ごろりと寝転がるのも気持ちがいい。北欧イメージのデザイン畳(デザイン畳+北欧家具のコラボ、和モダンリフォームより)
畳のリフォームは、メンテナンスの時期に合わせて行うと効率よく費用が節約できます。メンテナンスの時期は、元がイグサの畳の場合は表替えが7~8年、床ごとの交換は10年ほどが目安ですから、そのタイミングで和モダンリフォームにチャレンジしてみましょう。長方形のフチあり畳から正方形のフチなし畳に変えるだけでもイメージが変わります。
和風フローリングを使うリフォームで、完成度の高い和モダンに
〈ポイント5〉
和モダンリフォーム成功のポイント5つめは、フローリング材選びです。和室にフローリングを敷きたいという要望は多いのですが、フローリング材の選び方や工事方法によっては、とってつけたような違和感がある部屋になってしまうことがあります。和室と洋室では部屋の作り方や、素材感が異なります。畳をフローリング敷きにするのであれば、その世界観にあったフローリング材を選ぶか、全てを洋室化することでインテリアのバランスが整います。
そんな時に大活躍するのが和のテイストを持ったフローリング材です。和のフローリング材を上手に選んでリフォームすれば、床だけリフォームでも大丈夫!天井や壁、ドアは和室のままでもコーディネートのバランスが整い、工事費用を節約しつつおしゃれな和モダン空間を作ることができます。
和空間に似合うフローリング材。これなら完全洋室化をしなくてもコーディネートが決まる。左から栗材-紺鼠色、 樺材-桜色、樺材-素地色(永大産業)
和風フローリングを上手に選ぶポイントは、色とツヤにこだわることです。手軽にコーディネートしたいなら、柱や天井の色と合わせましょう。無難にまとまります。個性を出したいなら赤みの強い色や黒色を選んで。またツヤが控えめの素地タイプも和の空間によく似合います。
柱や枠が古く汚れている場合は、「あく洗い」という、薬品で洗うリフォームで見違えるようにキレイになります。
和室だからこうしなくてはいけない、ということはありません。柱や枠回りを濃茶や黒で塗装するのもいいでしょう。床は畳や板貼りだけでなく、御影石やタイルもよく似合います。和モダン、エスニック、和洋折衷、本格和室など自分にとって居心地のいい和室を目指しましょう。
和モダンを更に盛り上げる照明選び
最後に和モダン空間を更に盛り上げる、照明選びのコツをご紹介しましょう。上手に選ぶポイントは「灯りの高さ」を意識することです。和室は直接畳に座るため、家具や窓、照明器具も低い位置にあります。飾り物を床の間の上に置くのもこの低い目線を意識してのこと。照明器具も洋室より低めの位置に吊り下げる、床に置くなどの工夫をすると、おしゃれな雰囲気が作れますよ。
和室の照明は、低め大きめを意識するとおしゃれに決まる(コイズミ照明)
リビングの隣りにある和室のインテリアはどうする?
日本の住宅では和室をリビングに隣接させる間取りが多く見られます。そこで問題になるのが、リビングとどうコーディネートするかということ。洋室と和室のトータルなコーディネート方法や、間仕切りのアイデアは下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 また和室のリフォームは、工事範囲により費用の差が大きいのも特徴です。畳をフローリングに変えるだけのリフォームから、完全に洋室にしたい場合まで、それぞれの概算費用と、リフォームならではの注意点を下記でご紹介しています。 襖や障子の張替え時のひと工夫で和室をイメージチェンジさせる方法と、和室をより美しく見せる色選び方法、壁紙の選び方は下記で詳しくご紹介しています。
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