供給者による傾向をみてみると
分譲住宅、宅地開発には様々な種類(大きく郊外型と都市型)がありますし、ハウスメーカーだけでなく大小様々な不動産会社も参画しています。規模でみても数区画から100区画以上と幅が広い。ですが、本当に大ざっぱなイメージとして次のようなことがいえると思います。【ハウスメーカーの分譲住宅】
建物を建ててなんぼ。土地はそのための手段に過ぎない。そのため建物の品質や性能、居住性が高いレベルにあるが、価格に割高感がある
【不動産会社系の分譲住宅】
土地をいかに効率的に販売するかがメイン。そのため、建物が画一的になりがちで性能も一定レベルにとどまるが、価格には値頃感がある
ハウスメーカーの分譲住宅の場合、注文住宅で使用している工法や部資材を使っていることが一般的で、安心感がある |
一方、不動産会社の場合は土地本位の考え方で分譲を行います。そして、物件トータルとしてあまり高くならないようにするため、工法などにはあまりこだわらず、最も効率的な手法を採用する傾向があるようです。
これは、私がこれまでの取材で感じてきたことで、あくまでも大ざっぱな感覚です。全てがすべてこれに当てはまるのではないことをご理解ください。ハウスメーカーも営利目的でビジネスを行っているわけですから、当然ながら前述のような考え方ばかりで分譲住宅事業に取り組んでいるわけでもないでしょう。あくまで大ざっぱな傾向です。
価格や立地以外にも様々な判断材料がある
都市型分譲の事例。建物の間隔が狭くゆとりが感じられない。建物のデザインも画一的で変化がないのも魅力を損なっている点だ |
こうしたことは最もわかりやすい簡単な事例。要するに土地の区画割りの仕方やどんな建物を建てて配置するのか、隣地との境界のあり方など、分譲住宅の供給の仕方には業者によって様々なスタイルがあるということです。
そして、分譲住宅の善し悪しを判断するのは、結構難しい作業であるということを是非ご理解ください。価格や立地、周辺環境だけでなく、判断すべき材料はまだまだたくさんあります。次回は、そうした判断材料についてもう少し詳しく考えてみたいと思います。