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コスト削減が可能? 天井高と解体工事(2ページ目)

「天井高を低くできるの?」「解体を余所で頼めるの?」と、こんな質問をある方からいただきました。いずれも建築費用をできるだけ抑えたいという思惑があるためですが、現実的なのか考えてみたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

これもできるだけ建築費用を安く抑えたいという視点からの質問です。私の答えは、「できないことはありません。ただ、ハウスメーカー側はやめてもらいたいと思っているはずですし、私もあまりお勧めしません」です。

解体工事は最大のトラブル発生源

解体工事
施工は解体工事の段階から始まるといっていい。一見地味な作業だが、問題が発生する可能性が高く注意が必要だ
ハウスメーカーが解体工事を自社のネットワークの中でやりたがる理由は、解体工事段階で発生するトラブルに対して責任を負うためです。実は、解体工事というのは最もトラブルの元になりやすく、ご近所からクレームが来る可能性が高いのです。

解体工事中に発生したご近所からのクレームについて、ハウスメーカーが依頼した解体業者であればそのハウスメーカーが積極的にクレーム処理にあたれるわけですが、もしそうでない場合はクレームやトラブルの処理に消極的にならざるえないというわけです。

また、最近は環境問題への配慮から解体時に発生する廃棄物の処理に対して、責任が問われるようになっています。ハウスメーカーの場合、独自に廃棄物処理の仕組みやルートといった、適正な処理の体制をを作っているのですが、よその解体業者の場合、適正な廃棄物処理を本当に行っているのか、よくわからない場合が多いのです。

メリット・デメリットを見極める必要も

確かに建築費用の点では、ハウスメーカーのネットワーク以外の解体業者に依頼した方がメリットがあるのかもしれませんが、デメリットや不透明な部分も多いということを、私たちは理解しておく必要がありそうです。

廃棄物処理の現場
ハウスメーカーでは、新築現場はもちろん、解体現場から発生した廃棄物処理にも力を入れている。写真は積水ハウスの「ゼロエミッションセンター」の様子
ところで、質問された方の場合、複数のハウスメーカーと商談されていたそうです。その際、契約したハウスメーカーは、他社に比べて解体費用の見積金額が大変高かったそう。それに不信感をもたれていたそうで、私にこのような質問をされたとのことでした。

少し詳しい説明をしますと、あくまでも見積金額なのです。解体費用を少なく見せかけて、削ったコストを本体価格に上乗せするなんてケースはよくあること。ハウスメーカー各社は契約を獲得するのに丁々発止を繰り返していますから、ライバルの動向を見ながらこのくらいの数字の操作をするようです。

住まいの建築費用をできる限り抑えたいという気持ちはよくわかるのですが、なかなか簡単じゃないということは、このことからもわかっていただけると思います。

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