ハウスメーカー・工務店/住宅メーカー・ハウスメーカー比較[価格]

コスト削減が可能? 天井高と解体工事

「天井高を低くできるの?」「解体を余所で頼めるの?」と、こんな質問をある方からいただきました。いずれも建築費用をできるだけ抑えたいという思惑があるためですが、現実的なのか考えてみたいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

今回は久々に「住宅取得の疑問解消!」シリーズです。実際に住まいづくりを検討してみると、「こんなこと、あんなこともできるんじゃないか?」と考えるもの。特に、建築コストを抑えたいというニーズがあれば、「こうすればもっと安くできるのでは?」とあれこれアイデアが浮かぶものです。まず、すでにあるハウスメーカーと契約し、これから本格的にプランを詰めていく段階の方の質問「天井高って低くできるの?」から検討してみたいと思います。

天井高を低くすれば建築費用は安くなる?

天井高
天井高はハウスメーカーによって様々。しかし、なぜこの天井高なのかについて知ることで、ハウスメーカーの考え方が見えてくる
要するに、「ハウスメーカーと契約したのだけれど、できるだけ建築費用を安く抑えたい」という考え方で、天井高を低くすることで、その分、費用を抑えられると考えたそうです。契約したのは、誰もが知る有名ハウスメーカー。私は次のようにお答えしました。

「おそらく無理でしょう。仮に可能でも、天井高を低くすれば逆に建築コストが高くなるはずです」。その理由は、一般的なハウスメーカー(たいがいの工務店もそう)だと、住宅設計の基本となるルールを持っているからです。

こうしたルールは、ハウスメーカーの住まいづくりに対するポリシーのようなもの。例えば天井高だと、最近は2500~2800ミリくらいが主流のようですが、天井高をどれくらいとるかというのは、そのハウスメーカーがこれまでに供給してきた実績に基づくノウハウ。住まい手の安全な暮らしを考慮して採用しているものなのです。

ルールから外れるとその分、費用は高くなる

もちろん、部材規格の統一化といったハウスメーカーサイドの思惑もないわけではないですが、こうした決まり事があることで施工上の品質の確保や、コスト削減にもつながっているわけ。逆にハウスメーカーのルールから外れようとすればするほど、建築コストは高くなるのです。

見積もり
ハウスメーカーは独自のルールによって住まいづくりを行っている。そこから外れると、逆に建築費用が高くなるケースも
特に将来、住宅を売却する際、ある一定レベルの天井高がある住宅の方が、新たな買い手が付きやすいものです。天井高は居住面積などとともに居住水準の一つとして考えられるものですが、ハウスメーカーとしては、そうしたことも考慮して天井高などについて独自の基準を設けているのです。

ハウスメーカーで住まいづくりをする際、建築家とは異なり(建築家でも一定の基準、ルールを設けている場合が多いはずです)、このようなある種のきゅうくつさを感じるかもしれませんが、それは上記のような理由があるからで、避けられないこと。「自由設計」であっても、何でもありというわけにはいかないのです。

次のページでは、「解体はハウスメーカーに依頼せず、業者を自分で見つけてきていいの?」という質問にお答えしたいと思います。
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