地元の人とも仲良くなり、第2のふるさとです雄大な信濃の山や緑豊かな里山の風景が、人の心をゆっくり癒してくれる(写真提供:信濃町役場商工観光課)別荘の価格について聞いてみましたら、「10年前に1区画が約200坪で700万円くらいでした」とのこと。建てたのはスウェーデン製のログハウス(角ログ)で予算は1000万円を少し超えたそうです。「ここは自宅と違って、気に入ったものしか置かない空間にしています。薪ストーブがあって、薪をくべるのは夫の担当です」野尻湖からは新潟県に近いので、お米がおいしいし、車で1時間もかければ日本海に出られるので、魚も新鮮なものが手に入ります。そんな食材をもとに、腕を振るうTさん。祖父母や両親、みんなが集まって食事をする。大人数の料理をつくるのも、Tさんにとってはストレス解消につながっていました。リタイア後は定住も考えています今、Tさん夫婦はアメリカ、大学に通う二人の息子さんは東京在住と、家族は別れて暮らしていますが、「私たちの思い出はすべて野尻湖が拠点なんです。雪かきして、カマクラをつくって、ビールを持ち込んでなど、本当に楽しい思い出ばかり……」30年もの長い野尻湖生活で、自然に地元の人とも仲良くなりました。野菜をおすそ分けしてもらったり、料理の仕方を教わったり。まるで、ふるさとのような感じも気に入っているといいます。「アメリカはアウトドアの本場。日本にはないような道具もあって、『これは野尻湖で使えるよね』なんて、今は夫と二人で品定め中なんです。いろいろなアウトドアの経験をして、野尻湖で生かせたらと考えています」。定年にはまだ10年近くあるTさん夫妻ですが、リタイア後は野尻湖での定住も考えているそうです。まとめ:エリア選びに大切なのは所要時間だけではありませんエリア選びは車で3時間以内がお勧めですと、記事を書いているのですが、Tさん一家の別荘はその倍以上の時間がかかるエリアでした。遠いと行くのが億劫になってしまうのでは、という不安がある方も多いでしょうが、Tさんのように、一番好きな場所にこだわるのも大事。徹底して別荘を活用すれば問題はありません。Tさんは、今では高速道路や新幹線を使うとあっと言う間に着いてしまってプロセスが楽しめないので、あえて高速自動車道を途中で降りて、いろいろな町を抜けて買い物をしながら行くこともあるそうです。今、ロハスとかスローライフという言葉が流行っていますが、リゾートライフは急がないのが基本。別荘に着くまでの道中を楽しむそんな心の余裕も必要ですね。前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。