「海を眺める派」、それとも「海で遊ぶ派」で優先順位を決める

「まず、海辺の土地は3つの条件で価格が決まります」と下平さん。
その3つとは
1.海が見えるかどうか
2.海からの距離
3.車が入れるかどうか※
(※車が入れるかどうかというのは、海辺の町は昔から人が住んでおり、区画整理されたようなところはなく、道が狭くて家の前まで車が入らないところも多いからです)

この3つの条件で、土地の値段は決まってきます。どれもクリアできている土地は、何億円もの価格になってしまうわけです。また「いい土地は、そこを手放す際、身内や知り合い関係に売ってしまうため、市場に出ない場合のほうが多いですよ」とも。唯一、大きな屋敷や別荘が相続の際に売りに出た場合は、不動産会社が買い取り、小さく区割りして販売されるようです。

なので、3つの条件を満たす物件を求めるのは、お金持ちでもないかぎりちょっと無理でしょう。

そこで下平さんは「自分のライフスタイルのなかで、3つの条件のどれを優先するかが大事です」とアドバイスします。

例えばお子様のいるファミリーの場合、「海からの距離」を優先させたほうがいいでしょう。その理由は、子どもが小さいうちは、海が近いとすぐ遊びにいけるし、友達が遊びに来ても楽しく時間をすごせます。

一方、熟年夫婦がのんびり暮らしたいと希望するなら、「海が見える」や「車が入る」がはずせない条件になります。海が見えるところは、葉山、秋谷、鎌倉の一部をのぞき、海から遠い場合や高台も多いので、車も必要になるわけです。

「東京の人は、海が見える物件に弱い。でも毎日海で遊ぶ人は、別に家に帰ってまで海が見えなくてもいいわけで、それより海への距離を優先したほうが楽しいわけです。自分にとって価値があるのは何か、それを明確にしないまま購入すると、家を建ててからミスマッチに気づくことになります」

下平さんが言う「海に近い」というのは徒歩5,6分のことです。それ以上になると、夏、荷物を持って海まで歩くのがおっくうになってしまいます。でも東京の人は、徒歩15分でも海に近いと思ってしまいがち。そんなに離れていると、実際は気軽に海に行けないと断言します。とりわけ夏のトップシーズンは、朝から道路は渋滞しますから、車で近いということはあてにならないと考えましょう。海で遊びたい人は、海に遠い物件は、避けたほうがいいとのことです。

一方、海が見えるということは、逆に言えば海に直接面しているので、海からダイレクトに影響を受けるということを知っておかねばなりません。室外機や鍵穴まで錆びてきます。パソコンやオーディオ機器は、潮風や湿気の影響で、壊れやすいといいます。海が見える場所を優先するなら、そういった覚悟を持って生活することが求められます。

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