リノベーション/リノベーション関連情報

リノベーション住宅推進協議会 発足へ(2ページ目)

7月2日に発足予定の「一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会」。その発足に先立ち、入会説明会が6月5日、都内で開かれました。国内初となるリノベーション団体の概要などをご紹介します。

石井 健

執筆者:石井 健

リノベーションガイド

新しい概念、「優良リノベーション」とは?

「優良リノベーション」の概念図。検査内容は開示され、報告書・図面等のオンライン照会も可能

建物を新築する際には、建築基準法や保証制度をはじめとする様々な関係法令や環境の整備が整っています。一方、中古住宅の流通やリノベーションにおいては統一基準や広く浸透する保証制度などは十分に整っていません。多くの業者が実質的には誠実な仕事を行ったとしても、安心で分かりやすい適合規準や運用システムがなければ、住み手としては不安を感じる事もあるでしょう。
このような問題点を解決すべく策定されたのが「優良リノベーション」という考え方。検査を行い、適合確認の報告をし、履歴として残し、保証をする。この一連の行為をあたりまえのこととして広め、住み手にとって安心で分かりやすい、リノベーション住宅のスタンダードとすることが目的です。
そして、この一連の行為を施された物件のみが「優良リノベーション住宅」と定義されます。この「優良リノベーション住宅」は種別によってI型からV型までに分類され、うちI型(マンション専有部)は8月より供給開始。II型(マンション共用部)、III型(マンション一棟)、V型(戸建)などが検討準備中で、今年度内には順次策定されてゆく予定です。

気になる「優良リノベーション住宅」I型の中身


完成すると隠れてしまう配管、配線、下地等の重要部位は全て検査・保証対象となる

では具体的には「優良リノベーション住宅I型」は従来のリノベーションマンションと何が違うのでしょう?主な内容としては、

1)重要部位の検査を行い、協議会の定める規準に適合する事
2)適合報告書や図面の履歴を登録情報とすること
3)最低2年間のアフターサービス保証(非工事部分も含む)
4)恒久的なアフターサービス窓口を設ける事
「優良リノベーション住宅」にはこのマークが明記され、一目で従来の中古住宅を区別する事ができる様になる。

などがあげられます。特徴的なのは、配管・配線等の重要部位は手を加えていなくとも保証対象であること。つまり「この配管はまだ使えるので残しましょう」となった場合も最低2年間の保証が受けられるということです。
なぜこの様なことが可能なのか?それは検査を行ったうえで「まだ使える」と判断する以上、供給者は責任を持つべきとの考え方に基づくいており、部分の保証でなく住まい全体の保証を目指しているからです。尚、検査や基準の内容は開示され、ホームページなどで一般の方へも公開されます。また、適合報告書や図面は履歴として蓄積されるので、紛失や売却時に照会する事も可能となります。
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