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積水ハウス(2) 新商品が和モダンの理由とは(2ページ目)

ハウスメーカーはもちろんのこと、最近の住宅のデザインに「ジャパニーズ(和)モダン」が採用されることが多くなりました。今回はその理由について、積水ハウスが発売した新商品を例に説明したいと思います。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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「ジャパニーズモダン」の潮流は、ここ10年ほど前から台頭してきたものだと思います。元々、わが国の住宅は「和風」デザインでしたから、和の様式が見直されるようになったと言い替えてもいいかもしれませんね。

軒の出

「ビー サイエ」モデルハウスに設けられた深い軒の出。強い日差しが直接、室内に入らない

説明会でも「新商品のデザインがなぜジャパニーズモダンなのか」が話題になりました。その回答は、日本の住宅は「夏をもって旨とすべし」だからだそう。兼好法師の言葉として有名ですが、では最新の住宅とどのような関連性があるのでしょうか。

各地で真夏日を更新した今年の夏を考えるとよくわかると思いますが、近年の夏の暑さは尋常ではありません。厳しさを増す環境に対して住宅デザインとしての対処策が、ジャパニーズモダンというわけです。

和の住宅の特徴の一つが、緩やかな勾配屋根や深い軒の出。これにより、日差しを適度に遮ることが可能となります。また、開口を広く取ったり、外とのつながりを創り出すことで、自然な風を室内に取り込んだり、視覚的な涼やかさを生み出せます。

先人の知恵を現代にマッチさせた和モダン

このようなことは日本に昔からあった先人達の知恵であり、それを現代の住宅に今の暮らしとマッチさせたデザインがジャパニーズモダンという様式なのです。戦後、急激に西洋化した日本の住宅のアンチテーゼともいえるかもしれません。

和室

モデルハウスには和室も。間仕切りには、格子戸が採用され通風への配慮も行われていた

例えば、空間づくりでもそれがいえます。西洋の住宅はドアで仕切りますが、和の住宅は基本的にフスマなど引き戸が多用されます。引き戸で間仕切ることで、空間を閉じたり広げたりできるのも和のデザインの特徴でもあります。

もちろん、デザインだけでは厳しい夏の暑さの中でも快適に過ごせるわけではありませんから、建物そのものの躯体性能を高めてあげる必要があるわけで、今回の新商品では断熱性能をアップして、快適性はもちろん、省エネ性も高められています。

ところで、最近の住宅デザインの主流がジャパニーズモダンとありつつある理由はほかにもあります。一つは意外にも、太陽光発電システムとの関係があるそうです。屋根一体型の色が黒かグレーが多いため、無理のない住宅デザインとするためにはジャパニーズモダンが最適というわけです。なるほどですね。

もう一つは飽きがこないということ。これからの住宅は長期優良住宅を例に出すまでもなく、何世代にも渡って住み継がれることが重要です。ジャパニーズモダンのデザインは、日本の伝統を継承しているという点からも私たちに親しみやすく、長く愛されやすいということがあるようです。

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