お産の始まり
お産はどのように始まり、どう進むの?
お産のスケジュールといっても、出産をどこでするか、どんな出産をするかによっても違いますし、出産にかかる時間も人それぞれです。それでも、おおよその目安と流れが分かれば安心ですので、ここでは自然分娩の場合の流れを説明します。
まず、初産の場合はとくに、予定日より遅れることもありますが、妊娠41週までは正期産の範囲ですので、予定日が過ぎても焦らないように。おしるしから始まるか、陣痛から始まるか、破水から始まるかわかりませんが、どんな形で始まっても、とにかく慌てないことが大切です。
おしるしがあったら、出産施設に連絡し、陣痛が始まるのを待ちましょう。陣痛が始まって、すぐに出産施設に行っても時間がかかることが多いですから、間隔が10分くらいになるまでは自宅で過ごします。破水から始まった場合は、出産施設にまず連絡し、速やかに入院準備を進めましょう。
出産施設についたら、受付で入院準備を済ませ、出産のスタンバイをします。病院の陣痛室だったり、助産院の部屋だったりと、選んだ出産施設によってその場所も雰囲気も異なります。
お産のスケジュールを段階別にご説明しますが、これはあくまで平均値です。陣痛が始まってから、本格的な波がくるまでに2~3日かかる人もいますし、それは出産が始まるまでどうなるかわからないのです。
分娩第一期
陣痛が始まってから子宮口が開ききって赤ちゃんの頭が出る直前までを「分娩第一期」といいます。お産の中でいちばん長い時間を要するこの期間は、初産の場合、12~14時間といわれています。強くていい陣痛がきたら、パートナーや助産師さんに腰をさすってもらいながら、上半身を前傾にするなど楽な姿勢で過ごします。
[準備期] 子宮口は0~3cm。陣痛の間隔は約10分。赤ちゃんはあごを引き、体を縮めて骨盤の入り口に入ってきます。
[進行期] 子宮口は3~7cm。陣痛の間隔は5~6分。子宮口がだんだん開いてきて陣痛の痛みもしっかりと強くなってきます。赤ちゃんは体を旋回させながら子宮口に少しずつ下りてきます。
[移行期] 子宮口は7~10cm。陣痛の間隔は2~3分。1回の陣痛の時間が長くなり、赤ちゃんを押し出す力が強まります。赤ちゃんの頭が骨盤の下まで下がりきったら子宮口は全開となります。いきみたい感じが出てきますが、まだいきんではいけません。
分娩第二期
いよいよ赤ちゃんの頭が出始めて、誕生するときを「分娩第二期」といいます。部屋が別れている場合は、陣痛室から分娩室に移動します。要する時間は、およそ1~2時間。
[児頭娩出期]子宮口は10cm。(全開大)陣痛の間隔は1~2分。陣痛の間隔は短くなり、助産師の合図に合わせていきみます。頭が骨盤を抜けると、赤ちゃんはあごを上げて恥骨をくぐり抜けます。
[娩出期]赤ちゃんの頭が見えたらいきみをやめ、呼吸のタイミングは助産師の指示で短い呼吸に切り替えます。
さあ、赤ちゃんが生まれます。まずはお顔が出てきますが、まだ泣きません。次にまた赤ちゃんが旋回して、肩を片方ずつ出して、胸を出してきたときに「ふんぎゃあ!」と産声をあげます。そして、お尻、足と産まれて、誕生となります!
分娩第三期
胎盤が娩出される時期を「分娩第三期」といいます。
[胎盤娩出期]赤ちゃん誕生の10~15分後、軽い陣痛が起こり、胎盤が出てきます。所要時間は5~40分です。
お産のスケジュールを段階別にご説明しましたが、これはあくまで平均値です。陣痛が始まってから、本格的な波がくるまでに2~3日かかる人もいますし、それは出産が始まるまでどうなるかわからないのです。早ければ安産とも限りません。赤ちゃんが生まれたいペースで出てくることが大切なのです。