ドライアイ/ドライアイの症状・原因・予防・治療

要注意! 意外な天敵・オフィスの送風

一年中、エアコン・送風口による送風により健康トラブルがおこる可能性があります。今回はある外資系オフィスで、送風口と格闘した女性(Nさん)のドキュメンタリー。

執筆者:高林 克枝

最近なんだか、オフィスでの体調がいまひとつすぐれない、と思うことはありませんか?例えば……

  • 目がズーンと疲れる
  • 目と目の間が痛む
  • 目が充血しがち
  • 目がシクシク痛む
  • コンタクトレンズに不快感を感じる
  • 肩こりがひどい
  • 頭痛がある

    夏の冷房病はよく知られていますが、一年中、エアコンや送風口からの空調により健康トラブルがおこる可能性があります。

    「たかが、エアコン。そんなに体に影響ないはず」という甘い認識は要注意。オフィスが寒く感じるというエアコンの温度調節以外に、送風だけでも健康トラブルが起こる可能性があるのです。

    今回はある外資系のオフィスで、送風口と格闘した女性(Nさん)のドキュメンタリーをお届けしましょう。


    オフィスで送風ストレスに

    体調不良の原因に気がつかない

    夏前に外資系企業に転職してきたNさんは、オフィス内の温度が寒く感じられ、カーディガンをはおったり、ひざかけやストールを使ったりしていました。

    そのうち、夕方にはコンタクトレンズに違和感を感じるようになり、どうしてもはずしたくなりました。しばらくすると、午後にはコンタクトレンズの装着が耐えられなくなり、眼鏡を使うようになりました。

    それでも、目と目の間にズ~ンという痛みを感じたり、頭痛や肩こりなどの悩みは消えません。近くのエアコンの温度設定を少し高く調節してもらいましたが、あまり状況はかわりませんでした。

    まわりの席にいる社員たちと体調不良について話すと、彼女の着席している上部にある送風口が原因かもしれないね、という話になりました。これで、はじめて彼女は送風に疑いの目をむけたのです。

    この状態を改善すべく、総務の担当者に何度か相談しても、「風が来ると思うのは彼女の気のせいで、もともと自律神経失調症じゃないのか?病院に行ったほうがいい」ともいわれ、Nさんはあまりいい気はしませんでした。

    何度かの苦情を重ねた後、やっと総務はビルの管理会社に連絡し、その送風口の点検してくれました。しかし設備上、この送風口は全館的な空調で、部分的な調風ができないので、個々に対処するしかないという返事でした。

    そこで、Nさんは、送風口からの送風をブロックするように、クリアファイルをはりつけたり、スポンジを開き口に差し込んだりしてみました。これで解決済みだと思われていたところ、次の問題が発生することになりました。


    もっとつらい!? ドライアイの症状

    それ以降、Nさんは、昼ごろになるとなぜか赤目・充血し、ヒリヒリ感があるのが気になりはじめました。いつも睡眠不足で疲れた表情になってしまい、同僚から「大丈夫?」「よく眠れた?」と声がかかるようになりました。

    目薬をときどき指したりしましたが、さっぱり解決できません。数十分の間、目が潤うだけで、やはりもとの不快感がもどってきてしまいます。

    さらに、パソコンのモニターも1時間以上ながめていられないようになり、集中力も欠け、仕事の能率も下がるようになってしまいました。それで、この症状は、ドライアイなのかもしれないと思いました。

    ある日、上部の送風口からの風圧を再度チェックしようと考え、コピー用紙を片手にもち、風圧をみてみました。送風口に立てて送風を遮ったファイルのすきまから、自分方向に風がたくさん流れてきていることがわかりました。送風口の正面で遮られた風は、かなりの風量・風圧となり、頭部や顔面を直撃していたようです。

    再度、総務部と相談し、体調不良で仕事ができなくなるなら送風の阻止もかまわないという許可をもらい、まわりに着席する社員たちの同意もとり、テーピングして送風を阻止することに決めました。

    クリアファイルとテープで、風をブロックした送風口がこちら。
    こうしてようやく、Nさんは眼精疲労、ドライアイ、肩こり、頭痛、寒気などから開放され、コンタクトの違和感も消えました。パソコンでの作業にも集中して能率よくこなせるようになりました。

    もし、あなたのデスクのそばにエアコンや送風口があり、体調不良を経験しているなら、今一度風量、風圧、送風温度などをチェックしてください。

    こういったオフィス環境の不快感は本人にしかわからないもの。こんなものだと我慢していると、さらに具合が悪くなり仕事にもさしさわりがでてくる場合もあるでしょう。まわりの人々と相談しながら、工夫して状況を改善することが大切かもしれませんね。

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