日々の介護に疲れていませんか?
「無理をしない介護」介護を実践して、心にゆとりを!
いま、介護をしている人に質問です。
「日々の介護に、疲れていませんか?」
いま、介護をしていない人に質問です。
「あなたの周辺に、介護で疲れ切っている人はいませんか?」
介護を始めるとき、自分一人ですべての面倒を見るなどということは考えないほうが無難です。一度始めると、途中で投げ出すわけにはいかないのが介護というもの。2006年に行われた生命保険文化センターの調査によると、要介護状態となってから介護が必要と考える期間の平均は14年3カ月です。気が遠くなるような長さだと感じる人も多いのではないでしょうか。
いつ終わるかわからない、ゴールの見えないマラソンに、最初から全力疾走で挑んだらどうなるかを想像してみてください。あれもこれもと一人で背負うのではなく、周囲の人の力を借りたり、介護保険を中心としたさまざまな社会資源を使うなど、無理をしない介護を行うことが、自らの負担を減らし、長く介護を行っていくための重要なポイントです。
介護疲れする前に、
一人でも多くの相談相手を作ろう!
親の介護が必要になったとき、まずは兄弟や配偶者、子どもなど、自分の家族とよく話をして、介護におけるそれぞれの役割分担や協力体制を築きましょう。これは、兄弟が遠くに住んでいたり、仕事が忙しかったりして直接的に介護を行うことができない場合、特に重要です。普段介護しているあなたに代わって、兄弟がちょっとした手続きを代行したり、電話で愚痴を聞いたりしてくれるだけで、負担感は大きく変わってきます。
また、近所の人とのコミュニケーションを心がけたり、かかりつけの病院の医師や近くの地域包括支援センターなどに相談するなど、普段から気軽に悩みを相談できる相手を増やす努力も大切。いざというときに、あなた自身を支えてくれる存在になってくれるはずです。
身近に相談できる人が見あたらない場合や、もっと大勢の意見を聞きたいときには、インターネットの利用も有効です。最近は悩みを相談できる掲示板やコミュニティサイトも増えているので、うまく活用して悩みをため込まないようにすると良いでしょう。
介護の悩み・相談をテーマとしたホームページをご紹介します。
>介護110番
>介護-OK Wave
>親ケア コミュニティ
訪問介護などの介護保険サービスをはじめ、
さまざまなサービスを活用しよう
介護保険の要介護認定の申請を行っていない人は、まず申請を行ってください。65歳以上になると介護保険証が自宅へと届きますが、要介護認定で「要支援1~2」「要介護1~5」と認定されない限り、介護保険のサービスを利用することはできません。介護保険は「○歳になったら(または、心身の状態が弱ったら)自動的にサービスを受けられる」というものではなく、自ら申請を行って「サービスを受けたい」と言わないとサービスを受けられないので、注意が必要です。
ヘルパーさんが自宅まで来て家事援助やおむつ交換などを行ってくれる「訪問介護」をはじめ、介護保険のサービスは非常に多様。最初は何を選んで良いかよくわからないということも多いかと思います。そんなときは介護保険サービスの利用法(ケアプラン)を作るプロであるケアマネジャーとよく相談して、いろいろなサービスを試しながら、要介護者である親や自分に合ったものを見つけていけばよいでしょう。
介護保険の申請やケアプランの作成にあたっては、ほとんどの場合、ケアマネジャーの力を借りることになります。ケアマネジャーは、地域包括支援センターや市区町村の高齢福祉課などで紹介を受けることができます。
介護保険の申請を行ったのに「非該当(自立)」と認定された場合、介護保険のサービスを利用することはできませんが、別に悲観する必要はありません。相対的に見て、あなたの親がまだまだ元気だと判断されたワケですから。地方自治体やボランティア団体が提供するサービスや、さまざまな民間サービスを活用することで、介護の負担をグッと減らすことができます。希望にあったものがないか探してみるとよいでしょう。
メンタルケアに、身体のケア……。
自らの健康管理も忘れずに
お世話をするあなた自身が心身ともに健康でなければ、ちゃんとした介護を行うことなどできるはずがありません。「介護のメイン担当者は自分」という責任感を持つこと自体は悪くありませんが、たまには家族やプロにまかせて、自分自身のための時間を作ることも大切です。「ストレスがたまってきたかな?」と思ったら、早め早めに気分転換を心がけましょう。それでも気分的に落ち込んだりするようなら、精神科や神経科に相談するなど、メンタルケアにも気を配りましょう。
また、バランスの良い食事をとる、十分な睡眠をとる、軽い運動などを心がける、定期的に健康診断を受けるなど、自らの身体をケアすることも、「介護の一部」と考えてください。根を詰めすぎるのではなく、ちょっといい加減なぐらいが、ちょうど良い。そんな気持ちで、無理のない介護を実践していきましょう。