自律神経失調症とは……めまい・頭痛など原因不明の体調不良
肩こりや頭痛も自律神経系の乱れと関係があるケースがあります
病院で検査を受けても異常が見つからないのに、肩こり、頭痛、めまい、さらに腰痛、胃腸の不調、動悸などの様々な不調が続くことがあります。色々な診療科で検査を受けても原因がわからない場合、自律神経系のバランスを崩している可能性が考えられます。
体のあちらこちらに不調が生じていたり、何となく調子が悪い日が続いていたりする人は、自律神経系が乱れ「自律神経失調症」の状態になっているかもしれません。まずはセルフチェックをしてみましょう。
自律神経失調症の症状・セルフチェックリスト
今、あなたが困っている症状に当てはまるものはないか、下記の項目をチェックしてみましょう。□ 肩こり、頭痛、めまい、腰が不安定な感じがする
□ 倦怠感があり、身体に力が入らないように感じることもある
□ まぶたが重く感じ、目が開けにくい・目の疲労が強い
□ 息苦しく、口の中がカラカラに渇く
□ 耳鳴りがする・耳が詰まったように感じる
□ 喉が詰まるような感覚がある・飲み込むときに異物感がある
□ 動悸や胸の圧迫感
□ 急にのぼせてしまうことがある
□ 暑くなくても汗が出る・暑くても汗が出ない
□ 無気力、イライラ、不安感などがあり、精神的に不安定になっている
□ 胃がムカムカする・胃がパンパンに張っている感じがする
□ 便秘・下痢など腸が不調
□ 大量に水分を摂っていないのに、すぐにトイレへ行きたくなる
□ 手足がしびれたり、ムズムズしたりと、異常な感覚がある
いかがでしたか? なんとも、とらえどころの無い全身の不調であることに、改めて気が付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。複数当てはまる人は、身体のいたるところに病気を抱えているのかもと不安になるかもしれませんが、自律神経系の乱れが調整されると、複数の症状が落ち着いてくる場合があります。
自律神経失調症の原因……生活習慣の乱れやストレスなど
チェック項目を見ても分かる通り、症状は多岐に渡っています。とても不思議に思うかもしれませんが、それは、生きていくために身体機能を保つという、重要な役割を自律神経系が担っているためです。内臓の働きや呼吸・体温調整など、いつも当たり前のように機能していることに関わっています。意識しなくても働く自律神経系には、交感神経(活動的)と副交感神経(リラックス)があります。バランスがとれ機能することで、私たちは日々の生活を過ごすことができます。
ところが、体質的な問題や、生活習慣の乱れ、精神的ストレス、性格的な問題などが影響して、自律神経系のバランスを乱すと、チェック項目に挙げたような、様々な症状に見舞われることへ繋がるかもしれないのです。
自律神経失調症の対策法・対処法
自律神経失調症に見られる症状が表れた場合、何か心当たりがないか考えてみましょう。「最近、忙しくて睡眠不足になっていないか? 」「緊張を強いられる場面が多くないか? 」「将来に不安を感じていないか?」「生活環境に変化がないか? 」など。もし心当たりがあれば、それらを自覚し生活のリズムや考え方を変えることで、症状が和らぐこともあります。
しかし、それでも症状が変わらない場合は、内科や心療内科などで、疾患の有無を検査し、疾患が無ければ症状に対してのお薬の処方が必要になるかもしれません。また、代替医療やヨガなどの軽い運動、身体をリラックスさせる体操などで効果がみられることもあります。
それぞれの対策法として、食生活からアプローチしたい方は「自律神経バランスを整える食事方法」。入浴や呼吸法などを試したい方は「自律神経バランスを整える入浴方法」「呼吸を変えて自律神経の乱れを整える」。軽い運動で改善したい方は、「ヨガやストレッチで自律神経の乱れを整える」「夜のウォーキングで自律神経バランスを整える」などをあわせてご覧ください。
自律神経失調症はなるべく早めの対処を
また、現時点では「自律神経失調症」であっても、この状態が続くと、将来的に本当に身体的な疾患に繋がる可能性も、ないとはいえません。早いうちに、環境的、心理的なストレス要因を自覚して、身を守れるように対応できることが、自律神経失調症から脱出する近道であると思います。■参考書籍
- 『自律機能生理学』金芳堂(著:東京都老人総合研究所副所長 佐藤昭夫・筑波技術短期大学教授 佐藤優子・東京女子医科大学 五嶋摩理)
- 『自律神経失調症』高橋書店(監修:自治医科大学付属大宮医療センター 井出雅弘)
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