私たちの身体を調節してくれる自律神経

長時間のパソコン作業はストレスとなり、自律神経の乱れを引き起こす事があります。

原因不明のめまいや頭痛……どの検査でも異常がない場合、「自律神経失調症」の可能性があります

脳からの命令を伝えたり、外界の情報を得たりするために、体の隅々まで張り巡らされてい神経。神経には手を動かしたり、温度を感じたりする「体性神経」と、体温の調節や脈拍数の調節など体の調子を整える「自律神経」の2種類があります。

自律神経は交感神経と副交感神経で成り立っており、車でいうところのアクセルとブレーキのような関係にあります。アクセルとブレーキの両方があることで車が安定した走行ができるように、交感神経と副交感神経の絶妙なバランスが、私たちの体調を保ってくれているのです。

そのため自律神経のバランスが崩れると、日頃意識せずに取れている体のバランスが崩れ、頭痛、冷え、吐き気、下痢などのさまざまな不調が起こってしまうのです。

自律神経失調症の症状

自律神経のバランスが崩れて起きる自律神経失調症。体全体のバランスが崩れるため起きる症状は様々ですが、頭痛、動悸、立ちくらみ、のぼせ、冷え、吐き気、胃もたれ、便秘、下痢などで病院に来られる患者さんが多いです。一方で、「この症状があれば自律神経失調症」と断言できるような特定の症状はありません。

受診すべき診療科も症状によって変わります。患者さんも、頭痛があるなら脳神経外科・神経内科、動悸がするなら循環器科、下痢・便秘なら消化器科、めまいがするなら耳鼻科など、症状に併せて受診する科を選ばなければなりません。
 

自律神経失調症の原因

バランスを崩す理由は、ずばりストレス。肉体的疲労・精神的なプレッシャーといったものが挙げられます。現代社会において、私たちはさまざまなストレスと戦っています。多忙すぎる仕事、上司との人間関係、先行きの見えない将来への不安、家庭内トラブルなどなど、気が休まることがありません。それに加えて、生真面目な性格、責任感が強い、完ぺき主義といった性格的にストレスを溜め込みやすい人が自律神経のバランスを崩してしまいます。

一番の解決策は、自分自身に降りかかっているストレスから開放されること、そして気持ちをリフレッシュすることなのです。逆にストレスをうまくコントロールできないと、今までの症状がさらに悪化したり、新たな症状が出現してきます。

自律神経失調症の診断法

私たち医師は患者さんの症状を聞きながら、関連しそうな病気を5~10個、複雑な症状の場合は20個以上想定します。可能性があると思った病名は生命に危険が及ぶリスクが高い順に、詳しい診察や検査で一つずつ消していきます。最初に思い描いた病気の可能性が全て否定されたとき、はじめて自律神経失調症という診断に至るのです。

具体的には、他に同様の症状を出す病気がないかを調べて、緊急に治療が必要な病気かどうかをチェックしていきます。繰り返し診察し、診断候補の病名が消去法で全て消えるまでは、自律神経失調症という診断はできません。一回だけの診察で自律神経失調症という断定することはきわめて難しく、定期的な通院が必要になります。それぞれの診療科での検査に加えて、ストレスに対する感受性を調べる目的で心理テストや性格テストを行う場合もあります。

体がだるい、頭痛がする、どきどきする、くらくらするなどの不調は、重大な病気のシグナルであることも少なくありません。体に明らかな異常がある場合、医師の診断を受けずに自分で自律神経失調症であると思い込むことは、身体の異常を見逃してしまうことになり危険です。上記の自律神経失調症の症状に当てはまったからと自己診断せず、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

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