アレルギー/気管支喘息

気管支喘息の基礎知識

アレルギーの病気の一つである、気管支喘息。気管支喘息は、季節の変わり目に喘息発作が起こりやすいのも特徴です。症状や治療法など、気管支喘息の基礎知識を説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

気管支喘息(きかんしぜんそく)とは、どんな病気でしょうか?咳が続いたり、息苦しいことはありませんか?風邪と思っていたら、なかなか治らない場合、それは気管支喘息かもしれません。

気管支喘息とは

咳が続く場合、気管支喘息かもしれません

咳が続く場合、気管支喘息かもしれません

「気管支喘息」は、単に「喘息」と呼ばれることもあります。口から肺までの通り道に気管支があります。気管支にダニやホコリなどのアレルゲンが侵入すると、気管支がアレルギー反応を起こし、アレルゲンの侵入を防ぐための反応を示します。

痰が出て、気管支にある平滑筋という筋肉によって内腔が狭くなり、気管支が腫れてしまい、呼吸がしにくくなります。このアレルギー反応により、様々な症状が出てきます。空気が狭くなった気管支を通ることになるので、丁度、笛のような原理で、呼吸のたびにゼイゼイ、ヒューヒュー、ゼロゼロといった音がするようになります。
 

喘息の症状

  • 咳、痰の絡んだ咳
  • 呼吸するときに、ゼイゼイ、ヒューヒュー、ゼロゼロといった音:喘鳴(ぜいめい)
  • チアノーゼ(唇や顔色が青くなります)
  • 多呼吸(呼吸する回数が増えます)
  • 陥没呼吸(かんぼつこきゅう)(肋骨の下がへこんだ呼吸をする)
  • 起坐呼吸(きざこきゅう)(体を起こしていないと呼吸が苦しい)
  • 呼吸困難(息がしにくくなります)
  • 呼吸困難がひどいと、話もできなくなります。
  • 肩呼吸(かたこきゅう)(肩で呼吸する感じです)
こういった症状が出ていたら、「喘息発作(ぜんそくほっさ)」が起こっていますので、医療機関に受診しましょう。まずは発作に対する治療が大切です。発作がひどい状態で放置しておきますと、息ができなくなって、死に至ることもあります。

気管支喘息の診断法

  • 問診:いつからどのような症状があるか?特に長く咳が続く、息苦しい
  • 花粉症、アトピーなどを持っていないかどうか、家族にいないかどうか
  • 血液検査:ダニやホコリ、イヌ、ネコのアレルギーがないかどうか
  • 呼吸機能検査:肺活量や1秒率(1秒間にどれだけ息を吐けるか)を測定
  • 気道過敏性試験:気道を刺激する薬剤にすぐ反応して、気管支の内腔が狭くなるかどうか
などを参考に診断されます。特に、アトピーで、なおかつ喘息も持っている率は、アトピー性皮膚炎のない人に比べて2倍になっています。日本国民で喘息を持っている人(有病率(ゆうびょうりつ))は、10~20%ぐらいと言われいます。

気管支喘息の原因

喘息の原因として、ダニは重要です

ダニが喘息の原因になっていることも多いのです


 
    ■アレルゲン(アレルギーを起こす物質)
  • ダニ
  • ハウスダスト(家のホコリ) 
  • 花粉(スギ、雑草など)
  • ペット(犬、猫など)
  • ゴキブリやユスリカのような昆虫
  • ホルムアルデヒドなどの化学物質
■アレルゲン以外
  • 風邪
  • タバコや花火の煙
  • 工場の煙や自動車の煙による大気汚染(四日市ぜんそくなど)
  • 鎮痛薬などの薬物(特に、アスピリン)
  • ストレスや不規則な生活
  • コーヒーなどの嗜好品
  • アルコール:アルコール誘発喘息
以上のように、様々な原因で喘息を発症したり、悪化したりします。まずは原因を見つけて、取り除くことが大事な治療の1つです。

では原因を取り除く以外にどんな治療法があるのでしょうか?
… 喘息の治療 >>

参考リンク
ぜんそく大事点(ドクターN)
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