ED(勃起不全、勃起障害)は「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起を維持できないために、満足な性交が行えない状態」をいいます。

ですから、勃起そのものが起こらない場合はもちろん、硬さが不十分だったり、勃起状態が持続できなかったりして、満足な性交を行うことができなければEDと診断されます。

EDの最も多い症状は「中折れ」です。中折れというのは、性交の途中で勃起が続かなくなる状態です。一度経験すると再発の不安が常につきまとい、さらに中折れを招くという悪循環に陥りがちです。これで「もしや、自分もEDでは」と心配になる人は少なくありません。

では、EDの兆しはいつ、どんなところに現れるのでしょうか。

自分では気づきにくいED予備軍 

人知れず悩んでいる?ED予備軍

人知れず悩んでいる?ED予備軍

少し古いデータですが、日本のED患者数は「中等症」と「重症」を合わせて約1130万人(1998年)という推計があります。中等症は「ときどき性交できない」場合、重症は「常に性交できない」場合を指します。

同時期の高血圧症の患者数は約1120万人といいますから、ED患者の比率は高血圧症をしのぐことになります。にもかかわらず、EDの患者数がさほど目立たないのは、大半が受診をせず、人知れず悩んでいるためだと思われます。

「セックスはできないが、陰茎を刺激すれば勃起する」「自慰なら勃起もするし、射精もする」「持続力は弱まったが、挿入まではいく」という男性たちは自分が病気ではないと考えがちです。しかし「満足な性交ができない」という点では、いずれも典型的なED予備軍である可能性が高いといえます。

朝立ちの有無はEDのバロメーター? 

EDのほとんどを占める心因性の場合、ある日突然に症状が現れることは、まれです。最初の性交で失敗し、激しくなじられた、というような特異な体験がトラウマとなるような場合は別として、たいていは徐々に現れます。

EDとの関係で引き合いに出される「朝立ち」は、睡眠時の生理現象です。朝立ちは浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠のうち、レム睡眠時に起こります。ですから、たとえEDでなくても、ノンレム睡眠から目覚めた場合には、朝立ちがみられません。

こうした事情から、朝立ちの有無だけでEDであるかどうかを判断することは困難といえます。ただし、EDになると、勃起力そのものが衰えるために、レム睡眠時の自然な現象であるべき勃起が起こりにくくなります。朝立ちがEDと関係づけられる背景でもあります。

反対に、毎日、力強い朝立ちがあるのに、性交がうまくいかない場合には、体ではなく、精神面に原因があると考えることができます。

血管の病気でもあるED 

中折れ回数の増加は要注意のシグナル

中折れ回数の増加は要注意のシグナル

性交時の中折れ回数が増えてきたり、パートナーを変えて試みても不首尾に終わったりする場合も「イエローカード」と考えてよいでしょう。

心因性EDの場合は自慰で勃起できるので、自慰ができるかどうかは、EDの確かな判定材料にはなりません。

糖尿病や脂質異常症(高脂血症)、高血圧症などによって陰茎の血管がダメージを受けてEDを引き起こす場合もあります。これらのEDは心因性に対して器質性EDといいます。器質性EDでは自慰でも勃起が難しくなります。

特に、糖尿病は神経と血管の両方を損ねるので要注意。男性の糖尿病患者の3~6割がEDを合併しているというデータもあります。

これで明らかなように、EDの兆しは、他の血管の病気の症状を知ることで、おおよそつかめることになります。

初期や軽度のEDはほとんど服薬で治る 

前項で触れたように、EDは心筋梗塞や脳梗塞と同じ、血管障害の病気という側面をもっています。

ですから、血管に関係する他の生活習慣病のように、服薬で治療することが可能です。初期もしくは軽度のEDであれば、ほとんどの場合、シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬で改善することができます。

EDかどうかを見極めるための、さまざまな兆しがあるように、EDそのものにも心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす動脈硬化の兆しを知らせる役割があります。

最初に症状が現れる生活習慣病でもあるというEDの性質を逆手に取れば、重大な血管障害を未然に防ぐことができるかもしれません。

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