このため、最近では、通勤に自転車を使ったり、余暇にサイクリングを楽しんだりする人が増えています。しかし、サイクリングは、EDの予防どころか、EDを助長するという説もあることをご存知でしょうか?
健康志向とエコロジーがブーム後押し
健康やエコロジーに対する関心の高まりを反映して、最近は日常的に自転車を活用する人が増えてきました。“国策”として取り組まれているメタボリックシンドローム対策を実践するために、意を決して電車やバスから自転車に乗り換えたビジネスマンもいることでしょう。
実際、都会では、車の渋滞を横目に見ながら颯爽と自転車通勤をするスーツ姿の人たちを見かけることが珍しくありません。気分転換を兼ねて休日にサイクリングをする人も増えているようです。
自転車を使った適度な運動は血行促進やストレスの解消につながります。生活習慣病は血行不良を原因とすることが多いので、自転車を使う運動は血流を改善する上で理にかなっているといえます。陰茎の動脈硬化症状でもあるEDの予防にも効果的なはずです。
サドルの圧迫で「自転車ED」に?
半面、あまりに長時間にわたって乗り過ぎると、勃起に必要な血管や神経などが通っている陰部や股の下がサドルで圧迫されるため、陰茎への血液循環が損なわれて「器質性ED」を招く恐れがあるという指摘があります。自転車には颯爽と乗れるのに、ベッドの上では・・・
代表的な「器質性ED」は、高血圧、糖尿病、男性ホルモン低下、老化、前立腺手術後、下半身麻痺などが原因となるEDですが、いずれも、動脈硬化などの血管障害や神経の障害により、物理的に勃起のメカニズムが阻害されることにより起こります。「自転車ED」も、その一種といえるわけです。
特に、最近流行のスポーツタイプの自転車では前傾姿勢が強いため、より勃起にかかわる神経や血管を圧迫するようです。更にサドルが細いことも強い圧迫を助長します。
マウンテンバイクなどのオフロードタイプの場合は、ジャンプなどの強い衝撃によって血管が切れてしまいEDになったと言う症例も報告されています。また、男性だけでなく女性にとっても会陰部の擦過傷などに注意が必要です。
1日2時間以上は要注意
サイクリングの盛んな米国では、約300万人が「サイクリングED」にかかっているという説があります。とはいえ、自転車に乗っている男性すべてがEDになるというわけではありません。例えば、ちょっと近所に買い物に行ったり、散歩代わりに使ったりするなど、日常生活で乗る分にはまったく問題ありません。
もちろん、近距離ならば通勤に利用しても差し支えありません。要は程度問題です。何事も度を超せば、効果よりも弊害が現れます。通勤の場合、片道1時間、往復で1日2時間以上毎日乗る人は注意が必要です。
ED予防対応サドルも登場
健康のために始めた自転車通勤でEDになってしまっては元も子もありません。自転車EDを引き起こす主な原因はサドルの形状にあります。パッド入りのパンツを使えば自転車通勤も安心!
中央部が盛り上がった旧来型のサドルには、跨いだときにフィットしやすいという利点があります。しかし、長時間の圧迫は男性に対してばかりでなく、女性の会陰部保護の観点からも望ましくありません。
このため、最近は真ん中の部分を開けたり、へこませたりして陰部を圧迫しにくくしたサドルがパーツとして販売されています。専門店には形状も素材も豊富に揃っています。
また、サイクリング用にパッドの入ったパンツも発売されています。通勤の場合、下着状のパンツもありますので、取り入れてみてはいかがでしょうか。自転車を使った適度な運動そのものは有効ですので、適切な商品を選んでサイクリングに臨み、シェイプアップ増進、そしてED予防に役立ててください。
男の健康維持にはメタボ検診よりED検査!