水虫の基礎

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水虫菌の仲間は糸状なので糸状菌と呼ばれます。
水虫の原因は何でしょう? テレビの宣伝などで御存じの方も多いと思いますが、白癬菌(はくせんきん)という微生物が水虫の原因です。白癬菌は菌と呼んでいますが、細菌ではなくてカビの一種の総称です。

白癬菌が引き起こす病気は実は水虫だけではなく、白癬菌が増殖する身体の部位により病名が変わります。部位により、とりつく白癬菌の種類も異なる傾向があります。
  • 頭部白癬頭にできた場合に"しらくも"と呼ばれます。毛根を破壊すると脱毛の原因となります。
     
  • 体部白癬頭部・手・足・股以外の場合は"たむし”と呼ばれます。
     
  • 股部白癬またにできた場合、"いんきん"と呼ばれます。体と股と同時にできやすいので、あわせて"いんきん・たむし"と呼ぶ事もあります。
     
  • 足白癬足指の間、足底にできた場合は、”水虫”と呼びます。
     
  • 爪白癬足の爪または手の爪にできた場合は、爪水虫と呼びます。原因は同じ白癬菌ですが治療の関係では別の扱いとなります。

これらは全て、白癬菌による症状なのですが、通常「水虫」と呼ばれるのは「足白癬」と「爪白癬」です。

水虫が治りにくい理由

水虫について知るには、人の体を覆っている皮膚組織についての理解が必要です。皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなります。表皮は上から角質層、(透明層)、顆粒層、有棘層、基底層の4(5)層からなります。表皮の部分で細胞分裂を行い皮膚を作っているのは基底層だけです。基底層に混じってシミの元になるメラニン産生細胞(メラノサイト)があります。線維芽細胞が作っているのが真皮です。皮下組織は皮下脂肪と考えて問題ありません。

角質層は髪の毛の同じケラチンという蛋白質できています。角質層は皮膚を保護する役目をになっています。基底層から外気と接している角質層になるまで28日(4週間)必要です。角質層になってから薄い場所では2週間、かかとのように厚い場所では数カ月経って剥げ落ちていきます。角質層を含めて表皮が入れ替わるのには最低でも6週間必要という事になります。

細菌や真菌に対する免疫系のうち、白血球は真皮では活躍できますが固い角質層の中へ入って行く事はできません。角質層には通常の病原体は侵入できないので問題ありません。しかし、白癬菌(水虫菌)は例外的に、この角質層に侵入して増殖することができるのです。

免疫系の細胞が入っていくことができず、細胞の入れ替わりに時間がかかる表皮の角化層の感染症なので、水虫は治癒に時間がかかることになります。根治するには角質層が入れ替わる期間の倍以上、最低でも12週間以上必要です。ただし、根治するまで時間がかかっても決して不治の病ではありません。

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