膝痛対策体操とストレッチ
膝を支える筋肉をしっかりほぐし膝痛予防を
膝周りに重さや痛みや感じたとき、検査で骨の変形などを指摘される場合と、特に異常が見つからない場合があります。
骨の変形などの病気が発見された場合は、医師の指導のもとで治療を行うのが一番ですが、「加齢が原因なので膝が痛くても仕方ない」「すでに軟骨がすり減っていて、現状維持するしかない」と言われショックを受ける人も多いようです。加齢による変形や関節軟骨の傷などの改善が難しくても、痛みをやわらげ、膝関節の動く範囲を改善する方法はあります。
膝を支えしっかりと動かすための筋肉は、腰や骨盤周囲の筋肉の働きも関係します。ここでご紹介する膝痛対策の体操・ストレッチに加えて、腰痛対策の体操も行うことをおすすめします。
膝の負担を減らすためには、太ももの筋肉が過度に緊張することを避けなくてはなりません。膝痛の症状がある人は、動かすことにできる範囲と少ない回数から行い、無理せずに徐々に増やしていきましょう。
膝の曲がり具合をチェック
膝痛対策の体操・ストレッチを行う前に、膝の状態をチェックしてみましょう。普段の動作では症状がなくても、いざ正座をしてみたら膝が完全には曲がらなかったということや、長座をしたら膝が伸びなかったということがあります。
無理をせずにゆっくりと正座を試してみましょう
写真のようになってしまったり、体重をかけると膝周囲が突っ張ったり、左右で曲がり方に差が出た場合は、膝関節に負担がかかっている状態である可能性があります。
■両足を伸ばして座ってみましょう
両膝を伸ばしてみましょう
写真のように、片方の膝が完全には伸ばせない場合があります。膝を支える筋肉が過度に硬く緊張し、膝の関節へ悪い影響を及ぼしている可能性があります。
上記のように、正座や長座ができない、不完全といった場合は、体操やストレッチは無理をせず少しずつ試してください。はりきって頑張りすぎてしまうと、筋肉が疲労して膝の症状が誘発されることがありますのでご注意ください。
ほぐしながらストレッチ
安定している場所に椅子を置いて行います
深く座ると、伸ばしにくいかもしれませんので、座る位置を調整してください。
膝を少しずつ伸ばしていきましょう
伸ばす動きが痛い人は、無理をしないように、膝の調子をみながら少しずつ伸ばしていきます。
伸ばせる範囲内で膝を伸ばしてみましょう
その後、つま先を楽な状態にし、太ももをほぐしていきます。膝を伸ばしきると痛い人は、つらくない伸ばせる範囲にとどめておき、「4」へ進んで下さい。
膝の上面をほぐしていきましょう
写真の矢印の方向は一方向になっていますが、反対の方向へ交互にマッサージしても良いです。
太ももの横をほぐすことも大切です
体の重心がズレるとこの部分は硬くなりやすく、膝への負担も増しますので、日頃から柔らかくできると理想的です。
慣れるとスムーズに手を動かすことができます
指先の広い範囲を筋肉へ当てるようにしましょう。写真の矢印方向へ、動かしにくいと感じる人は、反対方向(膝裏付近から手前へ引く)が行いやすいかもしれませんので、お試し下さい。
しっかり予防! 太もも前面をストレッチ
気付かない間に、硬くなっている筋肉をストレッチして柔軟性を取り戻すことが目的になり、膝痛予防につながります。膝が既に痛い人には負荷が強めなものになりますので、下記のことを確認してから始めてください。- 片足で立つと、体重をかけた側の膝が痛む場合は行わない
- 片足立ちで、足元がふらつく場合は、壁に手をつくなど、倒れないように
- 膝を曲げると痛む場合は、無理には行わない
安定する床に立ちましょう
ここでは軽めの負荷が膝にかかります
手で足首を支えるように持ち、安定感を維持して下さい。膝のお皿の周りが重く感じるなど、何か症状は出ませんか?問題がなければ「3」へ進みます。
ここでしっかりストレッチを行います
途中で痛みが出た場合は、痛みが出る手前の角度で止めて、ゆっくり10数えましょう。終わったら反対側も同様に行い、左右を交互に3~5回ずつ続けます。
歳をとると膝が痛くなるイメージがありますが、多くのケースでは膝の安定性に関わる腰、骨盤、下肢の筋肉が過剰に硬くなることを避けると、予防することができます。
そのため、多忙な方は血流を促進する体操やストレッチを毎日気付いたときに、少しずつでも良いので続けてください。年齢を重ねてもしつこい膝痛を気にせず過ごすことができると思います。