子宮脱とは

骨盤の底には、子宮・膀胱・直腸などの臓器があります

骨盤の底には、子宮・膀胱・直腸などの臓器があります

骨盤の中には、前から膀胱・子宮・直腸が並んでおり、これらの臓器は「骨盤底筋群」という小さな筋肉の集まりで支えられています。骨盤底筋群は名前の通り骨盤の「底」を作っている筋肉で、子宮などの臓器を支えたり肛門や尿道を締めて漏れるのを防ぐ役割を持っています。この骨盤底筋群の筋力が弱くなったり、筋肉の繊維が断裂したりして支える力が弱まってしまい、膀胱・子宮・直腸などの臓器が下がってくることを「性器脱」と呼びます。

性器脱の中で子宮そのものが下がってきたものが「子宮脱」で、軽いものを含めるとお産の経験のある女性の2人に1人は子宮脱になると言われています。下がり具合が軽度で子宮が腟の出口から飛び出てこないものは「子宮下垂」といいますが、腟の出口から子宮が飛び出てきてしまった状態が「子宮脱」です。 

子宮は腟の壁とつながっているため、子宮が下がれば当然腟の壁もめくれたように外に飛び出てきます。また、前側の膀胱も一緒に下がってきて腟の外に飛び出てくると「膀胱瘤」、後ろ側の直腸が飛び出てくると「直腸瘤」という状態になります。

子宮脱の原因

子宮下垂や子宮脱は、骨盤底筋群の力が弱くなることによって起きるので、骨盤底筋を傷めたり骨盤底筋が緩んでしまう事を繰り返している人は子宮脱のリスクが高くなります。

具体的には次のような人は子宮脱のリスクが高いといえます。
  • 肥満の人
  • いつも便秘で強くいきんで排便している人
  • 多産の人(3人以上産んでいる人)
  • 大きな赤ちゃん(3500g以上)を産んだことがある人
  • 高齢(35歳以上)で出産した人
  • 重いものを持ち上げたり立ちっぱなしのことが多い人
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子宮脱の症状

軽度の子宮下垂がある程度では、ほとんどが無症状。子宮が腟の外に飛び出てくると、自分でも「腟の辺りが飛び出ている」と自覚することができます。中には、排便や重いものを持った時など、お腹に強い力を入れたときにだけ子宮が飛び出てくるのが分かるという方もいらっしゃいますね。子宮の出口がわずかに腟から飛び出た状態だと、「出っ張っている」という自覚は強くないこともありますが、下着などで子宮の出口が擦れて性器出血として自覚されることもあります。

子宮下垂がひどくなると尿の通り道である「尿道」の角度が本来の位置とズレてしまいますので、頻尿になったり逆に尿が出にくくなったりします。さらにひどくなると尿が出なくなってしまい、膀胱に大量の尿がたまって下腹部の張りや苦しさを訴える方もいらっしゃいます。尿が完全に出なくなってしまうと、それが膀胱炎の原因になったり腎臓の働きに障害をきたすことがあるので注意が必要です。

また、性器脱の方は、自分でそれと自覚していないようなレベルのものを含めれば、75%が尿漏れを伴うという報告もあります。くしゃみなどお腹に力を入れた時にちょっとだけ尿が漏れる「腹圧性尿失禁」は、骨盤底筋群のゆるみが関係していますから、原因が同じ性器脱を伴う人が多くなってしまうんですね。性器脱の中でも膀胱瘤や尿道瘤が尿漏れと関係が深く、腹圧性尿失禁の大きな原因のひとつになっています。
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