心臓以外が原因で起きる動悸……発熱・貧血、高血圧など

発熱
発熱は不整脈や動悸の原因となります。多くは心臓よりも体の他の部分が原因です

発熱は不整脈や動悸の原因となります。多くは心臓よりも体の他の部分が原因です

高熱が出た場合、特に心臓が悪くなくても心臓が打つスピードが早くなるため、動悸が出ます。熱が高いか、それほど高くなくても動悸が続く場合は、かかりつけ医の診察を受けて下さい。さまざまな病気の可能性があります。

■ 貧血
貧血もひどくなると心臓が血液不足を補うべく、脈拍を速くして頑張ってしまいます。そのため動悸が発生します。この場合も心臓は大丈夫か一応チェックしますが、それ以上に貧血そのものの原因を調べ、治すことが大切。まずかかりつけ医を受診して下さい。

高血圧
高血圧も低血圧も不整脈・動悸の原因になります

高血圧も低血圧も不整脈・動悸の原因になります

高血圧になると、心臓は高い血圧に打ち勝って血液を送る必要に迫られて無理をしてしまいます。そして力を出すために左室の壁を厚くして対応します。そのため無理がかかり不整脈がでて動悸の原因となります。

この場合、心臓そのものにも注意しますが、高血圧の原因を調べることと、血圧を下げることが肝要。日ごろの健診などで高血圧と言われたかたはかかりつけ医や内科、循環器内科などを受診して血圧のコントロールをしてもらうことが大切です。またそれに関連した腎臓その他の臓器、あるいは高血圧の原因も調べることが大切です。

低血圧
低血圧でも動悸が起こることがあります。血行不良のため神経の反射などが起こり、心臓が異常に働くためです。低血圧そのものの原因精査と治療が必要。これも内科や循環器内科を受診することを勧めます。

自律神経失調症
ストレスやホルモンのバランスの乱れなどによってさまざまな症状がでます。動悸もその一つです。めまいや冷や汗、高血圧や低血圧、吐き気、さまざまな精神症状がでます。こうした場合は神経内科や精神科の受診を勧めます。

■ バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺ホルモンが過剰に作られるため体の活動が異常に活発になります。そのため体重減少、高血圧、心房細動、発汗、イライラなどの精神症状、手の震え、体重減少などが出ます。心房細動のため動悸はよく起こります。
こうした症状があれば内分泌内科または内科を受診して下さい。

糖尿病
インシュリンというホルモンを産生する細胞が壊れてインシュリンが不足することで起こるI型糖尿病と、インシュリンの働きが悪くなるか分泌量が減って血糖値の調整ができなくなるII型があります。
口渇、多飲、多尿が典型的な症状だが、重症になれば昏睡を来たすことがあります。

治療の中で低血糖になれば動悸や冷や汗などの症状が出ます。
健診などで糖尿病の疑いがあれば内科または内分泌内科を受診されることを勧めます。
 

心房細動などその他の病気・ホルター心電図による検査も有用

註1:心房細動・心房粗動
脈が不規則になる病気。心房細動が起きると、「心房」という血液を一瞬貯めるプールのような部屋がぷるぷると震え、血栓ができることがよくあります。この血栓がもしはずれて血液の流れに乗り、脳へ流れ着けば脳梗塞になり危険です。野球の長嶋さんやサッカーのオシムさん、小渕元総理大臣はこうして心房細動のために脳梗塞に襲われたと言われています。

また、心房細動では心臓の拍動が速すぎたり遅すぎたりすることがあります。その場合、心不全症状が強くなります。弁膜症によって起こった心房細動では血圧が出にくくなり苦しくなったり危険なこともあります。脈が不規則になれば早目にかかりつけの医院などを受診することをお勧めします。

心房粗動は心房が速く動きすぎ、心房細動の一歩手前とも言える状態です。脈が極端に速くなることがあり、そうなると動悸だけでなく血圧が落ちて血圧が下がり倒れてしまうこともあります。ブロックといって刺激の伝わりが途切れると一見正常の脈拍になることもあります。

註2: 心室性不整脈
「心室性期外収縮」が代表的で、心室というポンプの部屋の筋肉から異常な信号が出て起こります。ドキンと感じることが多いようです。この心室性期外収縮の中にはそれほど怖くないものから放っておけないものまであります。放っておけないタイプとは、次に述べる心室粗動や心室細動に移行しやすいタイプのもの。心電図などで診断できますが、患者さんの自覚症状では判りづらいです。

心室細動は心室の筋肉がばらばらに動き、心室がもはやポンプとしては仕事できない状態です。つまり血圧はほぼゼロとなり心臓が事実上停止したことになり、約3分で脳死となりその患者さんは亡くなってしまいます。こうなってからでも、直ちにその場で見つけ、間髪入れずにAEDなどを使って除細動つまり心室細動を取れば、救命できることはあります。

しかし、何しろ3分という時間の中でそれだけの作業が一般の方々に確実にできるかどうかはわかりませんし、AEDがそこにないこともあり得ます。そこでその心室細動の前の段階とも言える心室粗動つまり心室が異常興奮によって速く打ちすぎている状態の段階までに治すのが安全です。

註3:ホルター心電図
24時間や48時間といった時間で、連続して心電図を記録する器械。小さいポータブルの心電図と記録の器械から成っており、これを1日または2日間ご自宅へ持ち帰って戴き、その間、記録します。このホルター心電図を使えば、不整脈が夜寝るときだけ出ている方や、明方に多いとか、仕事の緊張時に出るとか、コーヒーを飲んだ後に出やすいなどの患者さんでもかなり的確に診断がつきます。毎日の自然な生活の中での不整脈の状態がわかるというのも強みです。

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■参考サイト
心臓外科手術情報WEB
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