抜歯後の食事や入浴はいつから可能か
虫歯や親知らず抜歯後は、いつも通りの生活をしてよいのでしょうか? よくある疑問に回答します
<目次>
抜歯当日の注意点……抜歯後の食事・痛み・入浴・飲酒
■麻酔が切れるのは1~3時間後
歯の麻酔は、一般的に1~3時間程度で切れてくることがほとんど。痛み止めの服用を勧められた場合は、この間に飲むのがよいでしょう。
■食事は出血が止まってから
抜歯後出血が完全に止まっていれば、30分後程度で可能。ただし2つの点に注意。
- 麻酔のため温度感覚が麻痺するので、食べ物の温度には要注意。
- 麻痺しているので頬の内側の肉を噛んでしまうことがあります。少し意識しながらゆっくりと食べるようにしましょう。
抜歯の際、歯ぐきを縫い合わせないこともあります。この場合黒っぽいジェル状の固まりが穴の奥に出来るので、これが飛び出さないように注意しましょう。もし食べ物が穴に落ちたように見えても、あまり気にせず軽くゆすぐ程度にすると良いでしょう。
■抜歯後の喫煙、飲酒は当日は控える
出血が止まりにくくなったり、傷の治りが遅くなる恐れがあるので、できれば抜歯当日の喫煙や飲酒は控えた方が無難です。
■抜歯後のお風呂はシャワー程度で
抜歯当日は、体が温まると血行が良くなり出血しやすいので長湯は禁物。シャワー程度で。
■抜歯後の痛みが続く場合は痛み止めを服用
麻酔が切れると多少に関わらず痛みが出ることがほとんど。もし痛んでもさらなる治療でピタリと止める方法はないので、当日は痛み止めを服用して安静にします。
■出血が続く場合は適切に対処を
口の中が真っ赤になるほど出血がある場合は、清潔なガーゼやティッシュなどを抜歯部分に置いて圧迫止血を10~30分程度試してみて。完全に血が付かなくなるまで続ける必要はなし。唾液ににじむ程度であれば自然に止まることがほとんど。
抜歯翌日の注意点……抜歯後の痛み・出血・腫れ
■痛みが治まらない場合は痛み止めの服用を炎症を起こしていた歯や骨に潜り込んでいた歯などの親知らずは、抜歯後に2~3日は痛みが続くことも。引き続き痛み止めを服用して様子をみます。
■抜歯後の痛みがなくても抗菌薬は飲みきるべき
痛みがなければ、痛み止めは飲まなくても良いことも。ただし抜いた傷口から、細菌が血液中に入り込んでしまう恐れがあるので「抗生物質」「化膿止め」「抗菌薬」といった説明で処方されている薬は、途中で止めずに飲みきることが大切です。
■ひどい出血が続く場合は病院に相談を
完全に止まらず唾液ににじんでいる程度は心配なし。抜歯当日と同じように続く場合は、病院に相談してみましょう。
■抜歯の穴が気になる場合も無理にケアしない
しばらくの間は抜歯の穴に食べ物が落ちることが気になるもの。基本的には無理に取ろうとしないで、軽くゆすぐ程度で対応しましょう。
■腫れてきた場合は慌てず軽く冷やす
腫れはケースバイケース。全く腫れないこともあれば、卵が入っているように腫れてくることも。これらは自然な反応なので、軽く冷やす程度にして慌てないように。
抜歯翌日~1週間……抜歯後の糸・痛み・麻痺に関する不安
■歯ぐきを縫った糸を抜くのはいつか歯ぐきを縫い合わせた場合は、自然に溶ける糸でないことが多い。約1週間程度で抜糸するのが普通。もし途中で縫い合わせた糸が自然に取れても、歯ぐきがある程度固定されていればそのままでも問題なし。
■穴が完全に塞がるのはいつか
抜歯の穴が完全に塞がるまでは、1~6ヶ月程度かかるのが普通。
■痛みが続く場合はどうすればよいか
1週間以上痛みが続いて、抜いた穴の奥にジェル状の固まりができず、骨が露出したような状態になると「ドライソケット」の可能性があります。この場合、洗浄と抗菌薬などを塗り込むといった治療を、1ヶ月程度病院で繰り返し行なうケースもあります。
■あごの一部が麻痺した場合はどうすべきか
親知らずなどが、最初からあごの骨の内部の神経接触していたりすると、抜歯によって麻痺することも。短期~長期的目線で、治癒していくのを待つことになります。
■抜歯した部分がしみる場合はどうすべきか
よく親知らずを抜いた後、何故かしみる感じがすることがありますが、原因はその手前の歯であることが多いです。これは、親知らずが原因で虫歯になっていたり、骨が溶けて根が露出したりするため。傷口がある程度落ち着いたら虫歯の治療を行いましょう。根の露出が原因の場合は、しばらく様子を見ることもあります。
歯は抜歯しやすいものから、なかなか抜歯できないものまでいろいろです。一度で全部抜けないといった場合もごくまれにあります。その場合ある程度期間をあけてから再び抜歯した方が、自然に抜きやすい状態に変化していることがあるので、負担が少なくなると考えても良いでしょう。
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