細菌性結膜炎の症状
視力低下など深刻な結果を招く細菌性結膜炎。眼科で処方される点眼薬が有効
主な症状は、流行性角結膜炎同様、大量の目やにが出ること。放置しておくと、結膜だけではなく角膜にまで感染し、角膜が混濁して、永久に視力が低下したままになってしまう怖い病気です。
昔はよい薬がなかったため、年配の方の中にはこの病気になったため、良好な視力を失ってしまった人も少なくありません。性行為で感染したわけではなく、幼少時に他の人の目から直接うつるケースが多かったようです。「トラコーム」「トラホーム」と呼ばれているものも、この細菌性結膜炎です。
細菌性結膜炎は他の結膜炎と比べても怖い病気ですが、通常は結膜炎の初診の患者さんに細菌の有無や種類を調べるような検査はしません。それは患者さんに余分な治療費と時間を強いることになるからですが、それでもみなさん問題なく治癒しているようです。ここで「治癒しているようです」とあいまいな書き方になってしまうのは、治癒した患者さんはもう病院に来ないため、最終的に治癒したかどうかの確認が医師にはできないからです。しかし、少なくとも治癒せずにこじれて大変なことになったという例は、医師になって以来15年間、1回もありません。
細菌性結膜炎の治療法
最初から「細菌性」と分かることは少ないのですが、私の場合は結膜炎の患者さんが来たら、明らかな花粉症以外は抗菌剤の点眼を処方して治療しております。結膜炎の中には細菌性結膜炎が多々あると思うのですが、特別な検査で細菌性と診断して、特別な治療を行わなくてもほぼ全ての結膜炎が治癒しています。最近の抗菌薬は非常に良いため、多くの結膜炎の中に細菌性結膜炎が紛れていても、抗菌薬のみで治癒してしまっていると考えられます。