予防接種前の注意・副作用
予防接種を受ける前は、その時の体調や今までの病気、アレルギーの有無を正確に申請すること
例えば、発熱中に予防接種をしてしまった場合、その後の発熱が元の病気のせいなのか、ワクチンのせいなのかの特定も難しくなります。保育園などで集団生活をしている小さい子供の場合、頻繁に風邪を引くことが多いようですが、体調の悪いときには無理をせず、元気なときに受けるようにしましょう。
予防接種後の注意点
予防接種を受けた後も、アレルギー反応が出ないか観察するために、30分程度は接種した医療機関などにいるようにしましょう。子供の場合は、母子手帳にワクチンの種類、製造番号が記入されるので、万一帰宅後におかしな症状が出たときには母子手帳を持って医療機関に行きましょう。特に注意したいのがアナフィラキシーです。特に注意が必要なのは、「インフルエンザワクチン」と「黄熱ワクチン」です。これらのワクチンにはごく微量の卵白成分が含まれている可能性があるため、卵加工品でアナフィラキシーなどのアレルギー症状を起こしたことがある場合は、事前の皮膚テストが望ましいことがあります。ただし、インフルエンザワクチンの含まれる卵成分は非常に微量なので、アナフィラキシーを起こすことは少ないとされています。卵を完全除去している人で、微量の卵の成分でもアナフィラキシーを起こした人の場合は注意が必要です。
予防接種後の入浴は基本的に問題ありませんが、発熱があった場合や注射部位が腫れた場合は、無理な入浴は避け、部位を冷やすようにしましょう。
ワクチンを連続して受ける場合の空けるべき間隔
1つの予防接種をしてから次の予防接種を受けられるようになる間隔は、生ワクチンか不活性ワクチンかで異なります。2020年10月よりロタウイルスの定期接種に伴い、接種間隔が以前より変わっています。
麻疹、風疹、水ぼうそう、おたふく風邪(ムンプス)やBCGなどの生ワクチンの後に、生ワクチンを接種する場合は27日以上空けることになります。しかし、生ワクチン後に、経口生ワクチン、不活化ワクチンは接種間隔に制限はありません。さらに、経口生ワクチンの後に不活化ワクチン、不活化ワクチンの後に別の不活化ワクチンは接種間隔に制限はありません。
新型コロナワクチンについては、他のワクチンとは2週間空ける必要がありますが、インフルエンザについては同時接種でも有効性と安全性が確認されているために、接種間隔の制限はありません。
ただし、DPT-IPV三種混合ワクチンの予防接種は20日以上の間隔で、1期3回行われ、6か月以上空けて1期追加が行われます。このように同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合には、ワクチンごとに決められた間隔を守ることになります。
なお、定期接種の場合、決められた間隔が守られていないと自費になる可能性がありますので、注意してください。
できれば風邪シーズンを避け、体調のよいときに続けて接種しておきたいもの。抗体をしっかりとつけるためには、決まった間隔をあけながら接種する必要があるのです。
風邪・発熱・その他の病気時の予防接種
予防接種は37.5度以上で接種できません。37.5度以上の発熱は正常とは言えないので、基本的に予防接種はできません。風邪や手足口病、りんご病、突発性発疹などのウイルス性疾患の後は、治ってから1~2週間は期間を空けてから受けましょう。風疹、おたふくかぜ、水痘の場合は2~4週間空けてから、麻疹(はしか)の場合は免疫回復に時間がかかるので、治ってから4週間は空けてから接種を考えましょう。妊婦・妊娠時の予防接種
生ワクチンは胎児への影響を考慮して、妊娠中は接種不適当で接種できません。不活化ワクチンは妊娠初期は赤ちゃんへの影響を考え予防接種は避けた方がよいとされています。しかし、インフルエンザのように妊娠中に発症すると重症化する疾患の場合は接種が望ましいとされることもありますので、ワクチンの種類、緊急性などを考慮する必要があります。妊娠後期なら多くの不活化ワクチンは接種可能ですが、必ず産婦人科の担当医などに相談してから接種するようにしてください。持病がある場合の予防接種
持病がある場合、ウイルス性の病気のせいで持病が悪化することも少なくないので、なるべく予防接種を受けておくことが望ましいです。ただし、持病の種類によっては接種を避けた方がよい場合も。例えば、免疫抑制剤や抗癌剤治療、免疫不全の場合は、生ワクチンの場合は疾患を発病する危険性もありますし、不活化ワクチンでは効果が悪くなることがあります。つまり、ワクチンの副作用の問題や効果が期待できないことがあるため、接種を避けた方がいい場合があります。主治医に予防接種の種類と接種可能かどうかを相談するようにしましょう。【関連記事】