睡眠/気持ちよく起きる方法・自己覚醒法

目覚ましアラームは不要!? 起きたい時刻に目を覚ます「自己覚醒法」のやり方

【日本睡眠学会所属医師が解説】寝起きの悪さに悩んでいませんか? 自分が起きたい時間に目覚まし時計やスマホのアラームなしで目を覚ます起床術 「自己覚醒法」をご紹介します。

坪田 聡

坪田 聡

睡眠 ガイド

医師

日本医師会、日本睡眠学会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計画と医学・生理学の両面から、あなたの睡眠の質の向上に役立つ情報をお届けします。快眠グッズや気になる研究発表など、睡眠に関連する最新情報も豊富にご紹介します。

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目を覚ました女性
起きたいと思った時刻に目を覚ます「自己覚醒法」とは?

自分で決めた時刻に自然と目覚められれば、その日はきっと良い1日になるはず! 多くの人が実行できる、とても簡単な快・目覚め法をご紹介します。

半数の人ができる起床術「自己覚醒法」とは

「明日の朝6時に起きよう」 などと、眠るときにあらかじめ起床したい時刻を決めておいて、目覚ましなどの外からの刺激を使わずその時刻に自分で目覚めることを「自己覚醒(self-awakening)」と言います。

特殊な才能だと思われそうですが、実は多くの人が実行可能です。海外の報告では、日常的に毎朝自己覚醒をしている人は、21~81歳の約50%に上るとされています。

また、日本での調査によると、大学生で自己覚醒ができる人は約10%しかいませんが、65歳以上の高齢者では約75%の人が自己覚醒できると答えています。長い間、自己覚醒のトレーニングを積んでいくことで、習慣化していくのかもしれません。また、若い世代ほど夜型の生活になりやすい傾向があります。朝早く起きたくても睡眠時間が足りていないため、目覚められない人も多いでしょう。年を経るに従って、朝型に移行しやすく、また心身が必要とする睡眠時間が少なくなることも相まって、高齢者ほど自己覚醒しやすいと考えられます。

自己覚醒法の成功率は? 「誤差10分以内」が36%!

自己覚醒の成功率は、どのくらいなのでしょうか。

自己覚醒できると答えた、男女7人で行った実験があります。午前0時に床に就いて、午前3時30分や5時30分に自己覚醒するように設定しました。覚醒予定時刻の、前後40分以内に目覚められれば成功とします。

結果は、7人で14回の実験夜のうち12回で自己覚醒し、成功率は86%でした。覚醒した時刻の正確さは、予定時刻の前後10分以内が36%、20分以内が21%、30分以内が7%、40分以内が21%でした。

目を覚ます直前の睡眠の状態は、レム睡眠が67%、ノンレム睡眠の段階2が25%、段階4が8%でした。レム睡眠は睡眠と覚醒の橋渡しの夢うつつ状態であり、ノンレム睡眠の段2は比較的浅い睡眠、段4は深い睡眠です。

このことから、浅い睡眠からは自己覚醒がしやすいけれども、深い睡眠からは自己覚醒しにくいことが分かります。つまり、自己覚醒するために、覚醒予定時刻へ向けて睡眠のリズムを調整している、というわけです。 

自己覚醒法で目覚めるとき、脳と体で起きていること

自己覚醒できたときとそうでないときでは、体の中でどのような違いが生じているのでしょうか?

副腎皮質刺激ホルモンは、睡眠の前半には分泌が少なく、目覚めが近くなると血中濃度が高くなるというリズムがあります。このホルモンは、全身の細胞を活性化し、ストレスに耐える役目があり、心身が目覚める準備をしてくれます。

朝早くに強制的に起こされると、副腎皮質刺激ホルモンの血中濃度は、目覚めるまで変化なく、目覚めた直後に急激に上昇します。一方、自己覚醒できたときには、目覚める約1時間前から緩やかに上昇します。これは、目覚めるべき時刻には、目覚める準備が既にできている、ということです。

脳の血流量の変化にも、違いがあります。自己覚醒できた時には、覚醒15分前から覚醒に向けて、右前頭葉領域に緩やかな脳血流量の増加が見られました。しかし、自己覚醒に失敗したときには、覚醒前の脳血流量の変化はありませんでした。

なぜ、自己覚醒ができるのかは、まだ研究中です。睡眠が浅くなったときには、目覚めるべきか眠り続けるべきかの判断をしている、という専門家もいます。この仮説に従えば、自己覚醒しようとしているときは、体内時計の時刻を確認する頻度が多く、正確さが高いのかも知れません。 

目覚めスッキリで能率が上がる! 自己覚醒と強制覚醒の違い

自己覚醒法は、単に目覚めるためのスキルではありません。

目覚めた後の眠気の強さや脳の働きに、自己覚醒したときとそうでないときとで、明らかな違いがあります。習慣的に夜の睡眠で自己覚醒している人は、そうでない人に比べて、日中に居眠りしにくく高い覚醒度を保ています。

自己覚醒と強制覚醒を比較した研究でも、自己覚醒後は強制覚醒後に比べて、主観的な眠気が弱く、脳の覚醒度は高く、脳の機能をみるテストの成績も良くなっています。

午後の能率を良くするために昼寝が勧められていますが、その時にも自己覚醒は役に立ちます。午後の一眠りの前に目覚める時刻を意識しておくと、目覚めた後のスタートダッシュが違います。

自己覚醒法のやり方は? 自分に合う方法を見つけることがポイント

自己覚醒法のやり方は、とても簡単です。人によって方法は異なりますが、「眠る前に、目覚めたい時刻を強く意識するだけ」です。具体的な数字を挙げて、何時間後に起きたいのか、あるいは何時何分に目覚めたいのかを決めます。

起きたい時刻をを、心の中で3回は強く念じましょう。口に出してつぶやく人もいれば、「枕にお願いする」という人もいます。

ただし、自己覚醒しようという意識が強すぎると、逆に睡眠の質が悪くなってしまいます。時刻どおりに目覚めること自体がストレスになってしまい、眠っている間の睡眠が浅くなったり、途中で目覚める回数が増えたりしてしまうからです。

成功したら報酬が貰えると、自己覚醒の成績が上がります。はじめは、覚醒予定時刻の前後30分までに目覚められたら成功として、上手くいったら自分で自分にご褒美をあげてみてはどうでしょうか。

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